万事屋の坂田くんは狼少年を愛しすぎている(参)

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銀「おい…A」

貴「…だいじょーぶだよ、それただの唐辛子から取った汁だから。」

銀「え…？」

貴「あー、身体重っ…
さっさとソイツ縛ってケーサツ呼んで帰ろうぜ」

銀「え、薬の症状は？」

貴「辛いものでむせて咳が出て、唐辛子が傷にしみて痛みが出たってだけ。」

銀「唐辛子の匂いがしたからその瓶取ったのか…？」

貴「当たり前だろ、俺だって変な薬触りたくないし」

銀「…あー、マジで怖かった…
めっちゃキレてんだもん…
口出せなかったわ…」

貴「まあ、ムカついたからな」




茨の方へ歩く




茨「！！」


？「待って！！」




お、


俺と茨の間に立ったのはびしょ濡れの神楽だ
奥には息を切らした新八もいて、強い眼差しで俺を見ている


大きな怪我はないみたいで、安心した



…しかしどこから見ていたかにもよるけど、まあ怖がらせたかもしれない





神「茨はもう人殺さないし、ちゃんと罪も償うアル！
…だから…！！」


若干の戸惑いが入り交じった声色で神楽が言った




貴「分かってるよ！
怒ってない…っていったら、嘘になるけど、別に叶みたいにはしねえって」

神「！！」

貴「罪は償ったところで消えねーけどな」

茨「分かってるわよ…」

貴「全部自分で背負って生きろよ」

茨「…」



こくん、と頷く茨


まあデコピンの1発でもかましてやろうかと思ったけど神楽が庇ったので、まあいーや




貴「銀時括りつけた？」

銀「おー、できた」



下でパトカーのサイレンの音がする


大方新八あたりが呼んだのだろうか

それとも爆発に気付いたマトモな人が呼んだのかは定かではないが、物凄く足がふらつく



薬の効果が切れてないのか



そして相変わらずモノクロ世界のままで、手や身体、壁など、至る所にについている鮮血だけが真っ赤に染まっていた



そういえば頭が痛い

まあ顔面床に打ち付けられたし、相変わらず血生臭いし、しょうがないことだろうが




銀「おい、大丈夫か？
フラフラだぞ」

貴「…うん」



神楽と新八がもし俺が叶を気絶させるところを見ていたのなら、きっとかなり怖がらせてしまっただろう

あの様子だと見ていただろうけど



まあ、住むところは他に探すか



そんなことを考えながら一歩進むと、カクンと足の力が抜ける




銀「え、」

新/神「「っ、A(さん)…！」」

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