じしょーへき

〃 ページ24

「拝啓、皆さん。
　


私はバリアを壊そうと思います。



どうしても地上に出なくてはならない理由が出来たからです。



私にはもう時間が無いので此れで終わろうと思います。



今まで有難う御座いました。」




少女は何と其の秘めていた決意によってバリアを壊そうとしていたのです。



此の書き置きを見て、crossは酷く落ち込みました。




「此れじゃあ、約束を果たせないだろ…」




少女を失ったショックからでしょうか。



其れとも誰かの陰謀なのでしょうか。



闇auは其の少女の過ごした日常を全て忘れてしまいました。



まるで元々此の日常が無かったかの様に。



そして現在。



闇auは地上に出ました。



少女との約束通り、



夕日を見ながら。




ki「綺麗何だね、夕日って！」


ho「見れなかったもんな。今まで。」


cr「人間は何時も見てるんですよね…」




此処で、crossの中の時は止まりました。



「人間…？何故か引っ掛かる。」



…と考え始めると、頭がくらくらして仕方が有りませんでした。




mu「もう少し静かにしろ。」


ki「煩いなぁ…」


er「一回落チ着けヨ。」


ni「地下じゃ見れなかったからな。」


ki「何処か行く？せっかくだし。」




頭痛がし、何かを思い出しそうなcrossを放っておき、談笑する闇au。




ho「アイスでも食いたいな。」


mu「いや、其れはお前だけだろ。」


mu「偶にはEXP集めに…」


ki「いや、お前は何時もでしょ。」




此処で、crossの脳内にとある記憶が流れ込みました。



ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ


「どうかしたの？顔色悪いよ？」


「最近頑張り過ぎ何だよ…少しは休憩しなよ。」




目の前にはとある女の子が居て、crossは困惑しました。




「見た事が無いのに見覚えが有る。」



…と。



一体誰何だ…そんな事を考えていると、女の子が話し出します。




「え？私は大丈夫だよ！其れよりも＿＿＿の方が心配だよ！」




何故か勿忘草の匂いがする女の子。



其の女の子に謎の既視感を覚えながら、記憶は途切れました。



嗚呼、何でだろう。此の日常に何か足りない。



そんな事をcrossが考えていると、



──辺りに、勿忘草の香りがした気がした。



ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

勿忘草の花言葉…私を忘れないで

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