人気者のあの子は実は…【歌い手×探偵チームKZ】

そんなに優しい人、いる？ ページ19

A side
夜に行こうと思ってたんだけど…ホテルに住んでんの忘れてたわ。
ただいまの時刻……18：35です。腕時計は充電しました。
よし、今から行こう！


『はぁ、めんどくさ…』


えーと、駅は…確かこっちだったはず。
ん？ここどこだ？……迷子になったよ、最悪。スマホもホテルに忘れたし。


「あれ？菖蒲？」


ん？誰だし。あ、待って…


『KZの人？あと、名字で呼ぶのやめてって言ったよね？』

「ん、ごめんね。僕は小塚 和彦だよ。えーと、Aでいいのかな？」

『うん、それでいいよ』

「…名字、嫌いなんだっけ？なんで？」


言う？言っちゃう？別にいいか、どうせバレるし。


『私の菖蒲は、父方の名字。私、父親のこと好きじゃないんだ。ま、母親にしろキライだけどね。でも、父方の祖父母は好き。…名字は菖蒲だけどね。それで、今は祖父母のホテルの一室に住んでるの』

「そう、なんだ。なんか、無理に聞いちゃったらごめんね」

『うん、大丈夫。ごめん、駅ってどっち？』


いきなり急に戻るっていう。いや、時間がね。


「反対方面だけど…もしかして、Aって方向音痴？どこに行くの？」

『うん、そうかもしれない。浜田まで行くんだけど…』

「一緒に行こうか？」


小塚君、めっちゃ優しいんだけど。


『出来ればお願いしたい、かな』

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