魔女集会で会いましょう (ページ3)

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生贄(リアside) ページ3

いつものように
森を歩いていると
　
　
どこからか
人の声が聞こえてきた
　
　
　
普段は森を恐れて近づかない人が
何故こんなところに？
　
　
珍しいな…
100年ほど前ならよく生贄を
置きに来たと聞いた事があるのだが
　
　
　
耳を澄ませて
人間の会話を聞き取る
　
　
「この辺でいいのか？」
　
　
「ああ…長老がこの木が目印だと言っていたから間違いない」
　
　
近づいて見てみると
大柄な男が
大きな麻袋を置いて去っていく
　
　
　
しばらく置かれて行った
麻袋を見ていると
モゴモゴ動いている
　
　
何だろう？
　
　
恐る恐る近づくと
小さなすすり泣く声が聞こえた
　
　
　
紐でしっかりと縛られた
麻袋を開けてみると
　
　
中には
可愛いらしい人の子が入っていた
　
　

人の子は目を丸くして
驚いたような表情をしている
　
　
　
「お前は生贄か？」
　
　
そう尋ねると
涙目で
ガタガタと震え

　
　
「はい…ぼっ僕が生贄です…
　僕を食べていいのでどうか村をお救いください」
　
　

ん？私が？

　
　
「お前さんよ。何を言っておるのじゃ？私は人など食わぬぞ。」
　
　
なんだこの子供は
なかなか面白い事を言うじゃないか

　
　
思わず笑ってしまった
　
　
　
「えっー！！それじゃあ…僕来た意味ないじゃないですか…村も良くならないじゃないですか…」
　
　
　
「村？村はそんなに大変な状態なのか？」
　
　
　
「はい…どこにも食べ物がなくて人がたくさん死んでいます」
　
　
　
「ふむ、そうか…だったら私の魔法で村を飢饉から救おう」
　
　
　
「本当ですか？！ありがとうございます( ˆωˆ )」
　

グリーンの瞳が
キラキラと輝いて
私を映し出す
　
　
「ふんっ…今回だけだからな」

　
　
村の方向へ
杖をひとふりして
呪文を唱える
　
　
「これで良かろう。お前さんもこんな森にいる必要はないさっさとお帰り」
　
　

「いやです…帰りたくありません。」

　
　
「どうしてだ？」
　
　

「どうしてでもです…」
　
　
　
　
ああ…困ったものだな
　
　
理由を言わず頑なに帰ろうとも
しないし
　
　
置いて行けば夜に出る
魔物の餌食になってしまうだろうし
　
　
　
仕方あるまい
　
　
「お前さん私の家に来るかい？」
　
　
子供はこくりと頷くと
私の隣をトコトコと歩いて付いてきた
　
　
　
　