妖怪学園Y〜妖術HEROの愛され姫〜2nd【Nとの遭遇】

怨霊ゲスパイダー誕生！？ ページ33

「そんな事を続けていると、不思議なことに……」

何故か、ノートに顔が生えてきたのだ。
それだけではなく、その顔は喋った。そして、自分を励ましてくれた。

「ノートが私の言葉に答えてくれるようになった。そして、ノート君が私にとって唯一の友達になったんだ」

小さい頃から妖術師として鍛え上げられ、普通の人には視えないものを毎日のように見、有り得ないことを毎日のように体験してきたAからすれば、そんなにとんでもない話とは思えなかった。

「それが、どうしてゲスノートに……？」

誰もが抱くであろう疑問を、マタロウが声に出す。
話を聞いた限りでは、後藤先生が使っていたノートは人間に害を与えない良い怨霊、という印象である。

だが、その印象は一気に変わった。
ゲスノートの表紙に３つの目玉が浮かび、紫色の手と口が生え、いきなり叫んだのだ。

「全部コイツのせいだ！」

「わ、私の？」

後藤先生がうろたえてノートを見つめる。

「自分がした事を覚えてねえのか？全部受け止めてやったのに、コイツはいじ.めっ子と仲良くなった途端、手のひらを返したように捨てやがったんだ！！」

「それは誤解だ！」

慌てて弁明しようとする後藤先生と、この状況でどう動くべきか迷っているA達の様子を、陰から見つめる者がいた。

臼見沢だ。
臼見沢は自分の髪の毛を１本抜くと、それに口から紫の煙を吐き出した。
髪の毛は素早く飛んでいくと、ゲスノートに刺さった。

「裏切.り者……裏切.り者裏切.り者、裏切.り者！！」

恨みを抱いて叫びながら、ゲスノートは紫の煙に包まれながら巨大化した！

「うわぁああ！！」

「何だ！？」

ニョキニョキッと巨大な手足を生やし、ゲスノートは巨大蜘蛛へと変貌した。
怨霊ゲスパイダーの誕生だ！

「人間はもともとゲスばかり……俺は人間が大嫌いなんだ！」

「違うんだ！話を聞いてくれ！」

後藤先生が話を聞いてもらおうとするが、「うるせえ！」と怒鳴ったゲスパイダーに弾き飛ばされてしまう。

舞姫&舞神楽姫などなど……→←後藤先生とノート！

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す