妖怪学園Y〜妖術HEROの愛され姫〜2nd【Nとの遭遇】

真相解明！ ページ28

「コホンコホン……」

我らが名探偵コナッポイン──マタロウのわざとらしい咳に、例の生徒は驚きながら声の主を見つめた。

「粉っぽいなぁ……と〜っても粉っぽい……ゲスノートで人々をゲスにさせていた犯人は……あなただったんですね！」

咳払いをしてからマタロウがその犯人を指さし、その名を告げた。

「根民マスオ君！！」

──そう、マタロウの指した先には、他でもないマスオがいた。

「ゲスノート？何の話だい」

この期に及んでもとぼけるマスオに、すっかりコナッポインと化したマタロウが種明かしをする。

「しらばっくれても無駄です……私の仕掛けた罠にまんまとはまってくれましたね」

「何……！？」

「コホン……ゲスにさせられていたのは学園内の人気者ばかり……犯人が嫉妬深い人間だと言うのは明らかでした」

明らかに“クロ”の反応を示すマスオ。マタロウは追求の手を緩めない。

「だから、敢えてジンペイ君をちやほやすることでゲスノートを書きに動く人間がいないかチェックしていたんです」

「ぼっ……僕はただ、予習のためにメモを……！」

必死に言い逃れる術を考えながらマスオが言い訳を並べるが、予想外の人物が登場する。

「後ろから失礼するですねぃ！」

モモだった。
モモはマスオの持っているノートを後ろから覗き込み、「飛ぶですねぃ！」とマタロウの肩に止まった。

「表紙に『G・S』って書いてあったですねぃ」

「これは、その……！」

モモの報告に、マスオが分かりやすくうろたえる。

「フ……見苦しいその場凌ぎの言い訳に、コナッポインの目は誤魔化される？……否！！バウア〜〜！！」

マタロウとモモが一緒に『否バウアー』を披露するが、顔を上げるとマスオはそこにいなかった。
……まぁ、こんな隙を見逃してくれるほど相手は甘くないと言うわけだが。

「あっさり逃げられた！」

「ですねぃ！」

自業自得としか言いようがないのだが、マスオに逃げられてしまったのだからそうは言ってられない。

マタロウとモモは急いで待機していたYSPクラブメンバーの元に走り、マスオを逃してしまった事を早口で報告した。

「何だってぇぇぇぇ！？」

「今ならまだ間に合う！皆、ダッシュよ！」

大袈裟すぎるリアクションを取るジンペイと、冷静に指示を出すA。

とにかく、一同はマスオを捕まえるために走り出した。

メラ先輩のゲスバイク！？→←黒板速弾き！？

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