花火 ページ27
Aside.
ずっと水着だったのを着替えて外に出ると、辺りはもうほぼ真っ暗。
海辺で手持ち花火をしようということになった。
今回は、友達みんなで遊んでいるときに言われる胸キュンフレーズだから、私はみなさんがカメラに胸キュンさせに来るのを待っているだけでいいらしい。
6人一斉で花火に火をつけた。
わいわい騒いでいるのを横目に勝利くんが近づいて来た。
勝「綺麗だね。」
勝「あ、終わっちゃった。ねぇ、次のやつ、一緒に持とう？ ほら、はい、持って。」
私の花火を握らされた手の上から、勝利くんが手を合わせてくる。
勝「ほら、いくよ？？」
勝「わっ、すごい、綺麗な色。」
勝「来年は、2人だけで、しようね。」
勝利くんが行っちゃって、入れ替わりでマリくんが来た。
マ「花火、すごく楽しいね。」
マ「そうだ、今から僕が花火で文字を当てるゲームしよ！ いくよ？？」
“Ich…”
マ「答えはね、Ich habe dich lieb. ドイツ語なんだけど。意味は…また今度教えてあげるね。」
“Ich habe dich lieb.”
私はあなたが大好きです。
次は健人くんみたい。
健「すごく、綺麗だね。」
「そうだね！」
健「うん本当に綺麗、花火に照らされた君がね。」
健「あー、独り占めしたい。」
健「俺とちょっとだけ脱け出そっか。そこで、2人だけの思い出作ろ？ ほら、手、貸して。」
手を差し出されて握ったら、健人くんはいきなり走り出した。
健「よし、カメラは終わり。戻ろっか。ごめんね急に走っちゃって。A怪我してない？」
もどったら、風磨くんがすごい形相でこっちをみてて焦る。
健人くんが「そんな顔で見なくても。ごめんって。笑」って言いながら手を離したところで、手を繋いでたことを思い出した。
ス「皆さんで並んで花火文字したいんで並んでいただいていいですか〜？？」
健人 勝利 マリウス 聡 A 風磨 の順に並んで、
Se / xy / Zo / ne / T / V の割り当てを書くんだって。
風磨くんの隣に行ったら、「Aちゃん。」って小声で呼ばれて。
振り向くと手を繋がれた。
ラッキーなことに繋いでるのは私の左手だからお互い利き手は空いていて。
カメラさんの「いきますよ〜」という声が聞こえて焦る。
風「暗いからわかんないよ、大丈夫。」
みんなが一斉に文字を書く中、全然ドキドキは収まらなかった。
健人くんだけにはバレてたみたい。笑
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作成日時：2018年3月10日 19時
