顛末2 ページ11
風磨side.
倒れた原因は明らかに今日の決着だろう。
俺は居ても立っても居られなくて、マネージャーにことわって、Aちゃんが運ばれた病院を聞き出した。
メンバーも居ても立っても居られないのは同じらしく、全員で俺の車に乗り、道路を走る。
中島がポツリと、
健「最近、あんまり食べてなさそうだったよね。」
という。
聡「あんまり笑わなくなったし。」
マ「目もあんまり合わせてくれなかった。」
勝「どんどん痩せていってたよね。」
みんなポツリポツリとしか話さない中、病院に着いた。
言われた病室に向かう途中にみなみちゃんが。
相当怖かったみたいで震えてる。
丁度長谷川さんが来て、事の顛末を話してくれた。
主犯はかほちゃんだった。
危ないと思った時から気をつけておけば、と臍を噛む。
相当悪質ないじめだったらしく、精神的にも参っているだろうということ。
そしてなにより、Aちゃんが誰にも相談できなかった理由、それは俺だった。
俺と出かける写真を撮られて、今後接触したり誰かに相談したら、それを週刊誌に売る、と脅されていたらしい。
俺は自分に腹が立った。
Aちゃんは俺らの仕事を守るために自分の身体を犠牲にしたんだ。
病室に入ると、沢山のチューブに繋がれたAちゃん。
痩せて小さくなって、今にも消えてしまいそう。
俺は悔しくて涙が出た。
大事な子を守れなかった自分に腹が立ってやりきれなくて、手のひらに爪が食い込むくらいに拳を握りしめていた。
健「Aちゃんは、俺らを守ろうとしてくれたんだね、辛かったね。ありがとう。」
中島がAちゃんの頭を撫でながら言った言葉が、胸に残る。
俺は約束したんだった。
Aちゃんがちゃんと対峙できたら、Aちゃんの口から全てを聞いて、全部受け止めるって。
彼女を今まで守れなかった分まで、傷ついた彼女をたくさんの安心と感謝で癒す役割がある。
今は、「守れなくてごめん」より、「辛かったろうけど頑張ったね」と「ありがとう」を伝えなきゃ。
みなみちゃんも長い間1人で、Aちゃんについていて、相当怖かったのだろう。
震えていた彼女とは、松島が安心させてあげられるようにそばにいたみたい。
松島に寄りかかって眠るみなみちゃんは、今はさっきよりも安心した顔をしている。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 903人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2018年3月10日 19時
