天元様、良かったです。 ページ44
次々と無惨の攻撃が来る。
腕に鋭い棘のようなものがついてて
長く、早くうねる。
避けるのでやっと。
鬼「観念したらどうだ」
受け答えもできない。
つらい。
くるしい。
肺が破裂して壊れそう。
いたい…。
目が霞んできた。
涙だ。
体力が限界を迎えてきて
生理的に涙が出てくる。
鬼「あぁ…、可哀想に…。
辛いか、A」
無惨が攻撃をやめた。
『ヒュー…ヒュー……』
深呼吸をする。
息すら苦しそうな音を出す。
違う。
苦しくないっ…。
私は、人として、生きる…っ…。
鬼「これ以上、愛する者が傷つくのは
酷く虚しいものだな。
…A、
こちらへおいで？」
優しい声をかける無惨。
苦しくて苦しくて、
甘い言葉は今の私には
喉から手が出るほど欲するもの。
でも、求める優しさは
天元様の優しさ。
『い、…や、…。
て、んげ…ん、……さま…』
鬼「まだ言うか。
いい加減忘れたらどうだ」
愛する人を忘れるだなんて、
できないよ……。
鬼「毒が回っていて苦しいだろう。
よく動いていられる」
「譜面が完成したァ!!!」
『…！！』
自分でも目が大きく開くのが分かる。
天元様の声。
あちらでも戦闘は続いているんだ。
微かに戦う影が見える。
これが夢でなければ
あれは私の愛する人。
良かった。
みんな、生きてた…！
天元様、天元様のとこに、
天元様に会いたい！
なけなしの力を振り絞り
地面をしっかり踏み込んで
刃を片手に飛ぶ。
ザシュっ……！！
でもそんな願いも叶わない。
無惨によって
すぐに地上へ戻された。
鬼「私との戦いより
夫の方が大切か」
また涙が溢れ出す。
これは
失ってしまう者のみが流す涙だ。
せめてもと
首をゆっくり縦に振る。
鬼「…じゃあなA。
来世では期待しているぞ」
左腕が鋭い無惨の腕に刺される。
中に何かがドクドクと流れ込む。
無惨の、血…？
刺された左腕だけ
ブクブクと醜く膨れ上がった。
鬼「細胞の崩壊はないだろう。
腕は仕方ないが…、
大方は美しいまま保ってやるのを
ありがたく思え」
そして無惨は消えていった。
「A…」
『くる…み
お願いがあるの…』
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金平糖 - 凄く泣きました〜。・゜・(ノД`)・゜・。 (2021年11月16日 23時) (
レス) @page50 id: 63ca64d519 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - 面白かったです。 (2021年2月24日 6時) (レス) id: 69c853c22b (このIDを非表示/違反報告)
ピノ助(プロフ) - ひろかさん» あ、愛してる…！？///なんて素敵…！お願いだから死なないで〜！私も…ショックで心臓が止まりそうです… (2020年4月4日 21時) (レス) id: adff839c97 (このIDを非表示/違反報告)
ピノ助(プロフ) - @さん» わ〜！嬉しいです！もちろん返信させていただきますよ〜！！ (2020年4月4日 21時) (レス) id: adff839c97 (このIDを非表示/違反報告)
ひろか(プロフ) - 201話読んで自害しそうです((ピノちゃんあいちてゆ(遺言) (2020年4月4日 1時) (レス) id: d204de565a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピノ助 | 作成日時：2020年2月17日 21時
