音柱は恋人依存症

千寿郎くん、天才じゃない…？ ページ41

『ここ、和訳してみて』

千「はい！えーと…。


“しんでれらは、ガラス…スリッパ………？

を、片っぽ落としました”…」


煉獄家に着いて

時間が許す限り、勉学を教える。


『ガラススリッパって何か分かる？？』

千「んーーー…。


スリッパ……」

『前にさ、海外の宿屋について教えたよね。

その時、お客さんは何を履くの？』

千「あ！！スリッパですよねっ？

なるほど、それじゃあ

ガラスの靴ですね！？」



なんでスリッパから

今のヒントだけで靴って

出てきたの……？



『千寿郎くんてさ、天才？？』

千「違いますよ！！

…でも、このお話素敵ですね。

王子が靴を頼りに探すって。

靴が運命を繋げてくれたんですもんね」

『日本だと…簪になるのかな』



この組紐はとても気に入っているけど

やっぱり師範のくれた

婚約の証、簪が恋しい…。




千「簪ですかぁ。

……。




んあ！！そうでした！

少し待っててください！」



千寿郎くんがいきなり立ち上がって

奥に行ってしまった。









しばらくして、

何か白い布に包まれた物を

大事そうに持ってきた。



『千寿郎くん、それは…』


千「兄上から預かりました。

これをAさんに

返すようにと…」

『煉獄様から…？？』



私、何か貸していたかな。


千寿郎くんから包みを受け取り

そっと中を露わにする。





そこにあったのは

私がずっと探していた簪が。



『これ、ずっと探してたの…』


千「宇髄さんから…貰ったんですよね」

『うん。そうだけど…』


どうして千寿郎くんが知ってるんだろう。

煉獄様から聞いたのかな。




千「兄上から、伝言を預かっていまして…」

『煉獄様から！？』


煉獄様に頼りを出したけど

お返事がないから

不安になっていたのだ。




千「“あの時は怖がらせて申し訳ない。

自分の欲の為に君を傷つけた。

宇髄から貰ったという簪は

幸い傷はついていないようだ。

合わせる顔がない。

申し訳なかった。” と」


千寿郎くんは

寂しそうな表情を浮かべたが

何も詮索してこなかった。


『ありがとう。お兄さんに

会って話したいと、

伝えてくれる？』

千「喜んで！」




ドンドンドン！と

煉獄家の玄関の扉が叩かれた。



千「…ど、どなた、ですか……！？」




宇「A！帰んぞ！！

出てこい！！」


『ごめん、うちの師範。

ちょー怒ってる…』

千「あぁ……」


千寿郎くんの

微妙な顔初めて見た。

師範、それ本当ですか。→←千寿郎くん、大丈夫！？

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