音柱は恋人依存症

師範、いらっしゃ〜い！！ ページ26

翌日。

女将さんが直々に

私の世話を焼いてくれた。


「あなたはすぐ花魁に

なれそうね！

私も気合出して

準備してあげるわ！」


どうやら花魁っていうのが

1番偉い女の人みたい。

鬼殺隊でいう、柱みたいな。



女将さんはテキパキと

私の準備をしてくれた。


それはもう派手に

着飾ってもらえて

嬉しかった。



今日は師範に会えるのだから。





女将さんに

「経験はある？」

と聞かれ、

なんのことか分からなかったけど

多分遊女の経験だと思うので

ないです、と答えた。


喜ぶ女将さん。



「美人で芸事もできて教養もあって

しかも初見せ！！

これは人気間違いなしだわ！」


どこに喜ぶ要素が…？？←





ま、いっか。←








案内された通りに

外が見える、

鳥籠のような場所に行く。


そこには蕾屋の遊女が

座っていた。

みんな、かるたをしたり

双六をしたり、

占い師のような人に

格子越しで占いをしてもらったり。


どうやら好きなことをしていいようだ。


何をしよう。


くるみはいないから

お話相手はいないし…。





んー…

なかなかつまらない！！




師範ー！

まだですか〜！！？


暇なんですけどー！





『まだかなぁ…。

1日会ってないだけで

こんなに寂しい……』

？「よオよオ、陰気な顔してどうした？」


格子の外から

誰かに話しかけられる。


ふと、顔を見上げてみる。




宇「地味な顔してんぜ？

派手に笑えよー」

『し、しはっ』



師範、って呼びたかったけど

師範は口に指を当てて

静かにするよう言った。



宇「ちょいと待っててな」

『はい…』



師範は店の入り口がある方へ

行ってしまった。



私と同じく

鳥籠で遊んで

暇を持て余していた鳥達は

すっかり師範に釘付けだ。




女将さんが

目を輝かせて入ってきた。



「A！！客だよ！！

ものっ凄い色男だ！

ささ、支度をし。

良かったね〜私の目に狂いは

なかったよ…」



女将さんがあんまりに

嬉しそうなので

私も自然と顔がほころぶ。


いや、前っからにやけてたかも…。




他の遊女達の視線が

気になったものの、

私は鳥籠から飛び出す。


大好きな人に会いに行くため。





身だしなみを何度も

鏡で確認して

女将さんに言われた部屋におもむく。


場所は違えど

師範の部屋での

修行を思い出した。





『失礼します。


Aです』



宇「おぅ、入りな」


髪を下ろした師範が

嬉しそうに座っていた。

師範、私ね。→←師範、私頑張ってます！

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