音柱は恋人依存症

私、怒ったよ。 ページ12

綿鬼「なんだ。もう1人女がいたか」

『なんか悪い…？』

綿鬼「男1人に女2人？

夫婦と兄妹か？」

『訳分からないよ。

ちゃんと答えて』



加代子さんが怯えてしまっている。

早く助けないと…。


むやみに斬りかかるのは危険。




鬼はクックと笑った。




綿鬼「この森には祠があるんだ。

祠に祈りをした夫婦・恋仲は

みーんな幸せになれる。


祈りに来た奴らを

霧で迷わせて

夜になったら喰ってやるんだ」








最低…。


人の、幸せを、願いを

無下にするだなんて。





許せない。









『アンタ！絶対に！！

友達・恋人いないでしょう！

ボッチでしょ！！！』

綿鬼「なんだと…？？」

『ほら図星だわ！


幸せな人はね、

他人の幸せは

絶対に崩そうとしない』

綿鬼「どうせお前も、

友達はいても

恋仲はいないんだろう。


そうだろう」





もう無理。


あったまきた。






『私には、

日本一ド派手で、強くて、色男な

恋人がいるよ！！』





人の幸せ、馬鹿にしないで！









『歌の呼吸・参の型・朝歌夜絃』



綿鬼「血鬼術・迷い濃霧」





血鬼術！？





待ってよ、コイツ、

どんだけ人を喰べたの？


異形の上に術まで使う。



目は普通。

下弦でも上弦でもない。



勝てる。



糸口を見つけるの。








「迷い濃霧」という名の血鬼術は、

一気に辺りを

霧で満たした。







ここは高速で

刀を振る技を使えば、

霧を弾くことができるかも。








『歌の呼吸・弐の型・戯れ歌』




霧が晴れ、

鬼の姿が見えた。


この技は、速すぎて

音もしないし

振る刀も見えない。



側から見れば

勝手に霧が晴れたよう。



鬼は加代子さんを

どこかに連れて行こうと

夢中だ。


私に気がついてない。




勝てる！




こっそりと鬼の背後に

近づいて、

頸を斬る体制に入る。




男「…！霧が……！！？


この化け物！加代子さんを返せ！」









ちょおおおおおおっと

黙っててええええ！！



ほら〜！！

気付いちゃったよ！






『もうなんでもいいや！


当たって砕けろ！ってね！』



綿鬼「血鬼術・迷い濃霧」

『歌の呼吸・弐の型・戯れ歌』



弐の型で霧を晴らす。


一気に、頸を斬れる技。





『歌の呼吸・肆の型・歌姫の一節』

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