海賊さん、私と世間話しませんか？【シャンクス】 (ページ15)

今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:25,473 hit

14話ページ15

しばらくお互い喋らずに綺麗な海と星、波の音を聞いていた

私はふと隣にいるシャンクスさんを見上げる

シャンクスさんは真っ直ぐ地平線を見つめている

私は視線を海に戻してから口を開く

｢この海の先にたくさんの人がいるんですよね…｣

｢あぁ｣

｢世界は、海は、広い｣

いつかこの海の先にいる人たちとお話できるときが来るのだろか

その人たちと友達になれるだろうか

そのとき、私は“この人”の隣にいるのだろうか

｢A｣

｢はい？｣

｢これからは外に出ていろんなものを見て回ろう。話聞いてるだけじゃつまらねぇだろ？｣

｢それに、最近俺の話聞いてるとき直接見たい！って顔に書いてあるぞ｣

｢え！？ほ、本当ですか！？｣

｢あぁ｣

確かに最近写真や話だけじゃ足らずに直接見てみたいと思ったこともあるが、まさか顔にまで出ていたとは…

｢A、今やりたいこととかないのか？｣

｢やりたいこと、ですか？｣

｢あぁ、これが欲しいとかこれがやってみたいとか何でも言ってみろ｣

｢そうですね…あ、海を飲んでみたいです！｣

｢海を？｣

｢潮の匂いがこんなにするってことは本当に海ってしょっぱいんですよね？どのぐらいしょっぱいのか、一度飲んでみたかったんです！｣

｢くっ…はっはっは！やりたいことって言ってそれが一番に出てくるのか！｣

｢そんなに笑わなくても…あ、あと海で泳いでみたいです！｣

｢泳ぎかー…この世界には泳げない奴もたくさんいるからな｣

｢悪魔の実、でしたっけ？それを食べるとカナヅチになるんでしたよね？｣

｢おー、よく覚えてるな｣

｢あとは…｣

その後はいつも通り明け方までお話をした

地平線から昇ってくる太陽がとても綺麗で、一生忘れない光景となった

こんな風にシャンクスさんの隣で何気ない話をしながら笑い合う日がまだ続けばいいなと思った

でも

お別れは突然やってくる