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52話 ページ3

「お父さん、例の件2週間後に持ってきてくれだって」




「おう、分かった。先に昼飯食ってていいぞ、アイツが置いておくって言ってた」




「了解、お父さんもほどほどにね」




「あぁ」





母親と遊郭で再会したあの日から、早数ヶ月




宇髄さんたちの元を離れて父親とも合流し、数年ぶりに家族全員が揃った





「…………ひ、久しぶり、だな……」




「…………え、えぇ…元気そうでなによりだわ……」




「…………そっちこそ、遊郭なんかに何しに来てたんだよ」




「私はちょっと用事があって…貴方こそこんな所にAを連れてきて何してんのよ!」




「俺も仕事だよ!」




「まぁまぁ、お父さんもお母さんも落ち着いて」





最初はギクシャクしてた二人も、何やら言い合いを始めてこれが両親の普段通りなんだと思った




結局、父も母も今まで通りそれぞれ仕事をすることになった




でも、以前と違うのは母がときどきご飯を作りに来るようになったところ




そのことに父はまんざらでもない顔をしているから、きっと心の中では喜んでいるだろう





「ん、これ美味しい…今度お母さんに作り方教えて貰おうっと」





私は父と共に暮らして、仕事のお手伝いをしている




宇髄さんとは一切連絡を取り合っていない




私も宇髄さんもそれぞれ家族と共に幸せに暮らしているんだ




だからこれでいい、と私は思っていた





「この煮物、雛鶴さんが作ってくれてたやつに味が似てる…」





会いたくないといえばウソになる




でも、あの日お互いに抱きしめ合う宇髄さんと奥様方をみて、その輪に私が入るところはないと感じてから




どうしても顔を合わせられなくなってしまった





「帰るって約束を破っちゃったしなぁ……元気にしてるかな」




「帰りたいなら帰ってもいいんじゃないか?」




「お父さん…」




「お前が手伝ってくれなくても仕事はやっていける。Aは自分のしたいことをすればいい」




「ううん、お仕事手伝うのすごい楽しいしここにいるよ!」




「……そうか」




「うん!」





本当の気持ちには気付かないふりをした

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向日葵(プロフ) - 徳門七渚さん» 徳門七渚さん、勿体ないお言葉…ありがとうございます!自分のペースで更新していきたいと思いますので、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。 (2023年1月15日 7時) (レス) @page5 id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
徳門七渚(プロフ) - 言葉選びが上手でこんなに素晴らしい作品に出会えて嬉しいなと思いました。無理せず続けてくれると嬉しいです。 (2023年1月14日 4時) (レス) @page5 id: 94ece86ff9 (このIDを非表示/違反報告)
向日葵(プロフ) - あもさん» あもさん、ありがとうございます。しっかり休んでまた更新頑張ります! (2022年12月14日 7時) (レス) id: f6ff1cdc98 (このIDを非表示/違反報告)
あも(プロフ) - ゆっくりと無理をせず身体を休めてください。 (2022年12月10日 12時) (レス) @page4 id: 656bb5ebbb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:向日葵 | 作成日時:2022年11月13日 22時

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