食事会 ページ40
夜会は締められ、来客もちらほらと居るだけだ。
私はといえばあの後ノゼルさんから受け取ったお皿を持ってゆっくりと甘い物を味わっていた。
「シェフに花束を贈呈したい…。」
疲れた体に余計甘い物が染み渡る。
そういえばネブラさんの言ったとおり食べる暇なんて無かったので今更ながら、空腹感に気付く。
かといって残り物を取りに行くとさすがに何か言われそうだ。
戻ってから何か口にしようと思っていると、一人の使用人が側まで来て声を掛けてくる。
「A様、別室に食事を用意致しましたのでご移動をお願い致します。」
「え、ありがとうございます…？」
心の内を読まれたのかと思って曖昧に礼を言えば、それを察したのか微笑まれる。
「皆様、こういった場ではあまり召し上がられる事が無いのでいつも後から食事を準備するんですよ。」
「そうなんですね！ありがとうございます。」
なるほど、主催というのも大変らしい。
確かにひっきりなしに声を掛けられる上に動こうものならぞろぞろと付いてきそうな感じだった。
それを伴って食事をする気にはなれないだろう。
そういえば、ノゼルさんも水を口にしていただけな気がする。
という事はネブラさんは慣れない私の為にわざわざ取り分けてきてくれたのだろう。
(王族も大変だなぁ…)
食事室へと案内されながら、思い耽る。
その仲間入りを果たす事になるかもしれないので他人事ではない。
「A様、どうぞこちらへ。」
「あれ、控え室ですか？」
促されるままに入れば、待機していた数人の侍女に取り囲まれる。
意味がわからず硬直していると椅子に座らされてショールを奪われる。
「お顔、少し触りますね。」
「少し冷えてきたので羽織はこちらに召し変えられませ。」
「足元も少し楽なのに変えますわ。」
テキパキと改めて整えられる。
メイクを直され、ショールはケープに。
高めのヒールはそれよりも幾分低めの似たデザインの物に。
「では、行ってらっしゃいませ。」
「あ、ありがとうございます。」
ご飯食べるだけなのに先程よりかは楽ではあるが再び仕上げられた我が身。
むしろ着替えても良かったのではと思いつつも今度こそ食事室へと案内されて、扉が開く。
「A様、準備が整いました。」
そこに居たのはノゼルさんネブラさんソリドと。
王様、魔法帝を含む複数人の大人たち。
(あ、こっちが本番ですか…！)
言っておいて欲しかったな私。
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緋毬(プロフ) - メリアさん» 普段は隙が無さ過ぎて見れなさそうですもんね！興味深すぎます（笑 (2019年4月19日 23時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 前髪解いたらどんなノゼル兄様になるのか見てみたいですね！ (2019年4月19日 23時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - モンキッキーさん» いつもありがとうございます♪私もドキドキしながら作ってるので、これからも一緒にドキドキしてください(´∀｀*) (2019年4月14日 23時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
モンキッキー(プロフ) - とても面白いです！読むたびにドキドキさせられます！これからも更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2019年4月14日 23時) (レス) id: c0ef88c023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月14日 22時
