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「ありがとうございました。」
何とか場を収めてくれた事に礼を言えば、二人は私を気遣ってくれる。
レオはといえば今度は確認してから水を持ってきてくれた。
「何事もなく収まってよかったな。足を挫いたりはしてないか？」
「はい、大丈夫です。」
「Aなら自分で治せるだろうがな。」
だからといって怪我をしていいというものでも無い。
治せるからと無茶をする私をそう言って止めてくれるのはいつも団長だ。
「ノゼルさん、場を騒がせてしまい申し訳ございませんでした。」
「構わん。おまえは私が望んで隣に置いてる。周りなど気にせず今後も堂々としていろ。」
私への批判であそこまで怒ってくれるとは思わなかった。
だがそのせいで一つ気になる事が…。
「ノゼル様、あの子が本当にお好きなのね。」
「彼女の為にあそこまで怒られる程、大事にされているんだな…。」
開始時のやや批判的な反応から一転、これである。
恥ずかしさ半分と騙しているような居心地の悪さが半分。
だが本人が否定せずにいるあたり都合のいい解釈なんだろう。
確かに、そうなれば無理にねじ込んでくるような人も居ないはずだ。
「Aどうした？気分でも悪いのか？」
レオが覗き込んできて初めて自分が俯いていた事に気付く。
駄目だ、もうすぐ終わるとはいえまだ会場に居なければいけない。
思い耽るのは後でいい。
今は、自分に出来る事を。
「大丈夫！何でもないよ！」
夜会の終了まであと少し。
この場を乗りきってしまえば暫くは休める。
「ちょっと疲れてきちゃったかしら。」
「ネブラさん！」
どこに居たのか、ふらりとネブラさんが現れる。
その手には美味しそうなケーキや焼き菓子のお皿。
思わずジッと見てしまうと、ネブラさんはおかしそうに笑いながらそれを差し出してくれる。
「ネブラさん好きです！」
そう言って、そのお皿を受け取ろうと…受け取ろう…受け……。
…何故ノゼルさんが持っているんだろうか。
「お兄様？」
「ノゼルさん…？」
ほらネブラさんも困ってるよ。
私に甘味をください。
あ、やっぱり終わるまではお預けですか…？
そう思ってノゼルさんを見れば。
添えてあったフォークでケーキをひとくち分取ってそれをズイッと私の顔の前へ。
「え？」
ノゼルさん、真顔。
私硬直。
周り唖然。
なんだこの図。
どうすんだこの空気。
「…いただきます…。」
どうにかしたくて大人しく口を開く。
味は全然わからなかった。
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緋毬(プロフ) - メリアさん» 普段は隙が無さ過ぎて見れなさそうですもんね！興味深すぎます（笑 (2019年4月19日 23時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 前髪解いたらどんなノゼル兄様になるのか見てみたいですね！ (2019年4月19日 23時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - モンキッキーさん» いつもありがとうございます♪私もドキドキしながら作ってるので、これからも一緒にドキドキしてください(´∀｀*) (2019年4月14日 23時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
モンキッキー(プロフ) - とても面白いです！読むたびにドキドキさせられます！これからも更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2019年4月14日 23時) (レス) id: c0ef88c023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月14日 22時
