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結局午前は買い物、午後からはエステのような状況だった。
それはもう隅から隅まで揉まれほぐされ塗られ絞られた。
おかげで2日分の疲れは見事に吹っ飛び、夕食の後は全身の脱力感が酷く、ふわふわした足取りで部屋に向かっていた。
癒やされた…というより精力的なものまでごっそり抜かれた気がする。
「ふあー…っ！」
声にならない声を上げてベッドに身を投げる。
もう一歩も動きたくないと体が言っている。
明日は本番。
今は緊張よりも脱力感でいっぱいだ。
『ダンス？』
昼に体をほぐされながらした会話を思い出す。
夜会と言えばダンスのイメージが強かったのでネブラさんに問うと、そういえばそうねと思い出したように呟いた。
『心配しなくてもいいわ、どうせ踊らないもの。』
ノゼルさんは元々そんなタイプじゃない上、もし踊ろうものなら婚姻騒ぎになることもあって煩わしく踊らないらしい。
ソリドは
ネブラさんも、自分に釣り合う方が居ないから。と参加しないらしい。
ダンスは眺めて楽しむもの、という認識だそうだ。
それを聞いて安心した。
実のところ、全く不得手なもので残りの時間では到底出来そうにないと思っていたのだ。
『心配しなくてもお兄様が踊らないんですもの。』
ならばその機会はないということだろう。
心底安心した直後、ネブラさんは目を光らせた。
『でも王族たるもの、それくらいは身につけておかないといけないわ。今回はいいけれどゆくゆくはきっちり覚えてもらうわね。』
完全に墓穴を掘ってしまった。
引きつった笑顔で曖昧に笑ってその場は誤魔化したが、今後きっとまたダンスの指導が入りそうだ。
「明日、かぁ…。」
いよいよ明日は夜会。
ここ数日の内容が濃すぎて忘れかけていたが、ノゼルさんとの婚約を発表する場である。
その場にふさわしい立ち居振る舞いを身に付けるため、ネブラさんは時間を割いてくれた。
任務に出れば星を獲得する機会もあったかもしれないというのに、私に付き合ってくれていた。
その指導をネブラさんにお願いしてくれたノゼルさん。
そして3日間の休みをくれた団長。
心遣いを無駄にはできない。
「やり遂げなきゃ。」
せめて明日だけでも周りがノゼルさんにふさわしいと思うような令嬢を演じよう。
中身は少しづつ詰めていけばいい。
次の日への意気込みを胸に、眠りにつく。
明日がきっといい日になるよう願いながら。
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緋毬(プロフ) - メリアさん» 普段は隙が無さ過ぎて見れなさそうですもんね！興味深すぎます（笑 (2019年4月19日 23時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 前髪解いたらどんなノゼル兄様になるのか見てみたいですね！ (2019年4月19日 23時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - モンキッキーさん» いつもありがとうございます♪私もドキドキしながら作ってるので、これからも一緒にドキドキしてください(´∀｀*) (2019年4月14日 23時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
モンキッキー(プロフ) - とても面白いです！読むたびにドキドキさせられます！これからも更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2019年4月14日 23時) (レス) id: c0ef88c023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月14日 22時
