買い物 ページ30
「おはようございますネブラさん。これは一体どういう事で…。」
今日は買い物と聞いていた私はいつでもすぐに外出できるように身支度を整えていた。
…のだが、朝食を終えた私の部屋に訪れたのはネブラさんだけではなかった。
「買い物をすると伝えていたと思うけれど？」
不思議そうに小首をかしげてそう言うネブラさん。
なるほど、これは私の方の感覚がおかしいやつなのね。
ノゼルさんともソリドとも街で会ったことがあるので忘れていた。
「お買い物って…家でするんですね…。」
そう、ネブラさんと一緒に入ってきたのは大量の荷物を抱えた人たち。
持ってきた商品をひとつひとつ紐解いて並べている。
さながら個室のマーケットのようになっていくのをただ呆然と眺めていた。
(そう言えは今更だけど買い物に行く、じゃなくてする、って言ってたな…)
商品が出揃ったようで、準備をしていた人たちが端に避けて一礼をした。
「さぁ、選びましょう。」
「え？」
「呆けてないでまずはこれを。」
ぽいっと渡されたのは、上質な手触りの藤色。
銀の糸で刺繍が入っているそれは…。
「ドレス！？」
「当たり前でしょう、夜会にそんな野暮な服で出さないわ。」
「ここで決めるんですか！？」
にっこり。
有無を言わさぬその微笑みに、私は手にしたそれを試着するより他無かった。
簡易的な試着室て着てみると肌触りもよくてそのドレスの質の高さを身をもって感じる。
(お、お高そう…！にしてもこれ…)
「着れたら出てらっしゃい。」
「ね、ネブラさんこれ…ちょっと露出多くないですか…！」
恐る恐る表に出る。
ベアトップに膝丈のドレス。
普段着が露出皆無の私にとっては思わず赤面するほど恥ずかしい。
「そうね…。じゃあ次はこれね。」
「えぇぇぇ…！」
結局、ネブラさんが納得行くまで何度も試着を繰り返してようやく決まった。
最終は青系かピンク系かの2つまで絞った所で他のものを選びに移る。
何通りかの組み合わせを繰り返し、何とか満足いったようだ。
「お兄様の驚く顔、見てみたいでしょう？」
何とも楽しそうなネブラさんの一声でドレス一式が決まった。
ネブラさんも自身のドレスをさらっと選び、簡易マーケットは解散していく。
さすが王族のお買い物…家でお店を開くのね。
着せ替え人形になった疲労感に息を吐けば、入れ違うように様々な道具を持った侍女たちが部屋へと入ってくる。
今日は一日が長そうだ。
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緋毬(プロフ) - メリアさん» 普段は隙が無さ過ぎて見れなさそうですもんね！興味深すぎます（笑 (2019年4月19日 23時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 前髪解いたらどんなノゼル兄様になるのか見てみたいですね！ (2019年4月19日 23時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - モンキッキーさん» いつもありがとうございます♪私もドキドキしながら作ってるので、これからも一緒にドキドキしてください(´∀｀*) (2019年4月14日 23時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
モンキッキー(プロフ) - とても面白いです！読むたびにドキドキさせられます！これからも更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2019年4月14日 23時) (レス) id: c0ef88c023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月14日 22時
