団欒 ページ24
お風呂から出ると、置いておいたはずの服が無かった。
「あれ？」
「侍女を外で待たせてあるわ。」
「え？」
「せっかくお兄様も居るんですもの。ちょっと驚かせましょう？」
「え…。」
ネブラさんが侍女を呼ぶ。
手には今から着用するであろう服。
「こ、これって…！」
「私は先に行ってるわ。仕上がったら連れてきてちょうだい。」
「ネ、ネブラさ…！」
呼び声虚しく閉まる扉。
目の前には構える侍女たち。
逃げ場などなく、結局はされるがままに身を任せた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「遅ぇ…。」
「…。」
「ふふふ…。」
ボヤくソリド。
目を閉じてジッと待つノゼル。
不敵に笑うネブラ。
一同が食卓に揃い、Aを待つ。
それほど時間は経っていないが、待つのが苦手なソリドは少し機嫌が悪くなってきたようだ。
「もうすぐ来ると思うわ。」
弟を諭し、その姿を待つ。
その時ようやく扉が開き待ち人が姿を現した。
「遅ぇ!!一体何やってりゃこんなに時間かかっ………は？」
「…！」
「お、お待たせしました…。」
Aが少しうつむき気味なのは恥ずかしさからだろうか。
ソリドは言葉を失い、ノゼルはその目を見開いている。
ネブラはと言えばそれを見て心底おかしそうに笑っている。
Aのその衣装は、3人が着ているものと揃いの衣装。
それは、ネブラの服だった。
「Aさん、似合っているわ。お兄様とソリドが固まるくらいね。」
「侍女の方がイキイキとしてました…。」
「こんな面白いこと早々ないですもの。さぁ掛けて。食事にしましょう。」
促されて椅子に掛ける。
正面に座るノゼルがジッとAを見ていた。
「ノ、ノゼルさん…？」
話し掛けるとふい、と目を逸らされる。
その反応も面白いのかネブラはまた笑うのだった。
「昼食のことを思い出して、意識するのよ。」
「はい…。」
昼もフルコースだったが夜もまた然り。
次々と出てくる料理を、教えてもらった通りに食べていく。
時々迷った時はネブラさんを参考に。
「ぎこちなささえ無くなれば問題なさそうね。どうかしらお兄様。」
「あぁ。」
「文句なしって事ね。」
「先生が良いので！ネブラさんのおかげです！」
「平凡貴族のくせにちょっとはマシに見えるぜ。」
「ソリドは褒めてるの？貶してるの？いつもの事だけどさ。」
何とか咎められずに食事を終えることが出来た。
お昼に教えてもらってたおかげで助かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
緋毬(プロフ) - メリアさん» 普段は隙が無さ過ぎて見れなさそうですもんね！興味深すぎます（笑 (2019年4月19日 23時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 前髪解いたらどんなノゼル兄様になるのか見てみたいですね！ (2019年4月19日 23時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - モンキッキーさん» いつもありがとうございます♪私もドキドキしながら作ってるので、これからも一緒にドキドキしてください(´∀｀*) (2019年4月14日 23時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
モンキッキー(プロフ) - とても面白いです！読むたびにドキドキさせられます！これからも更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2019年4月14日 23時) (レス) id: c0ef88c023 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月14日 22時
