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「やぁ、おかえりA。随分久しぶりに感じるね。」
「ただいま叔父さん。そうかな？ちょこちょこ帰ってきてるつもりなんだけどなぁ。」
「はい、Aちゃんの分。頂きましょう？」
机いっぱいに広がる食事たち。
パンを手に取るとまだ温かく、それが焼き立てだとわかる。
ひとくち食べればふわふわな食感と甘味、焼き目の香ばしさ。
叔母さん天才…。
「でも珍しいわね、お休みの日じゃないのに帰って来てくれるなんて。」
「んー。ちょっと用事がね…。」
「困り事かい？いくらでも相談に乗るからね。」
相変わらずこの2人は私に優しい。
突然帰ってきてもこうして暖かく迎えてくれるのだ。
きっと、大丈夫。
「さ、これも食べてみて？自信作なの。」
「これも美味いぞ。」
「ありがとう。」
勧められるままに食事をし、あっという間に楽しい食卓は片付いてしまう。
食後の温かいお茶を飲みながらひと息。
「あのね、叔父さん叔母さん。ちょっと最近色々あったんだけど…。」
色々。
本当に色々なことが数日の内にあった。
少しだけ思い返しながら、聞く体制に入ってくれた2人へと告げる。
「私、シルヴァ家のノゼルさんと婚約する事に、なりました。」
しばしの沈黙。
そりゃそうだろう。
突然姪が婚約宣言…それも王族の方との婚約を宣言したんだもの。
「Aちゃん、一つ聞いてもいいかしら？」
先に口を開いたのは叔母さんだった。
その眼差しはとても真剣で、鋭く私を射すくめる。
「それは、あなたも望んでのこと？」
「…はい。」
紆余曲折あるのは確かだが、私の意思もちゃんとそこにある。
小さく頷けば、叔母さんは少ししてから柔らかく笑った。
目尻にほんの少しだけ涙を浮かべて。
「よかったわ、お相手がお相手だから私達のことを気にして断れないのかと思っちゃった！Aちゃんが決めたことなら私は賛成よ、おめでとう！」
確かに始めは私もそう考えていた。
そしてそうなればきっと叔母さんは家も何も捨てて私と国外に出ると言い出しかねないと思っていた。
あの母にしてこの人あり、だ。
「Aが…婚約……。」
「ちょ、叔父さん！？なんで泣いてるの！？」
対して叔父さんは涙を流していた。
それはもう、壊れた蛇口のような滝のような。
「この人ったら…元はと言えばあなたが進めた話でしょうに。」
「いざ現実になると色んなものが溢れ出して…。」
幸せになるんだぞ!!!!と叫ばれた。
叔父さん気が早いよ。
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緋毬(プロフ) - メリアさん» 普段は隙が無さ過ぎて見れなさそうですもんね！興味深すぎます（笑 (2019年4月19日 23時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 前髪解いたらどんなノゼル兄様になるのか見てみたいですね！ (2019年4月19日 23時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - モンキッキーさん» いつもありがとうございます♪私もドキドキしながら作ってるので、これからも一緒にドキドキしてください(´∀｀*) (2019年4月14日 23時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
モンキッキー(プロフ) - とても面白いです！読むたびにドキドキさせられます！これからも更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2019年4月14日 23時) (レス) id: c0ef88c023 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月14日 22時
