本題 ページ1
甘いお菓子に舌鼓をうち、紅茶を頂く。
ゆっくりと味わい、それが無くなる頃にノゼルさんに本題を切り出した。
「ノゼルさん、お話したいことが…。」
「…。」
何故かものすごく渋い顔をされる。
改まって言い出したので、恐らく内容を察しての事だろう。
場に静かな空気が流れる。
いつの間にか、よく晴れていたはずの空には重そうな雲が広がり始めていた。
「…………………何だ。」
「すごく溜めましたね。」
「あまりいい話では無さそうなのでな。」
ふい、と顔を逸らすノゼルさん。
なんだろう、時々動作が可愛く見えてしまって仕方がない。
いい話ではないと思いながらもちゃんと聞いてくれようとするあたり、何だかんだで優しい。
「婚約の、件なのですが…。」
「……。」
ノゼルさんは、こちらを見ない。
それでも止められはしないのでそのまま話を続ける。
「正直、すごく驚きました。結婚をお断りしたようなものだったにも関わらず、そう望んで頂けたのは身に余る光栄だと思っています。」
「…。」
「ですが私はまだ、騎士団で…フエゴレオン団長の元で、微力ながらもこの力を尽くしたいと考えています。なので。」
息を吸う。
吐く。
この空気に押しつぶされないよう、気を整える。
「銀翼の大鷲団には、入団できません!! 」
言った。
頭を下げると同時に、目を固く閉じる。
どんな言葉が振ってくるだろう。
今すぐに出て行けと言われるかもしれない。
「…。」
「…。」
流れる沈黙。
あまりの長さに耐えかねて、そっと顔を上げる。
ノゼルさんの視線と私の視線が、ぶつかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 111人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
緋毬(プロフ) - メリアさん» 普段は隙が無さ過ぎて見れなさそうですもんね！興味深すぎます（笑 (2019年4月19日 23時) (
レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 前髪解いたらどんなノゼル兄様になるのか見てみたいですね！ (2019年4月19日 23時) (レス) id: edc4abbf43 (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - モンキッキーさん» いつもありがとうございます♪私もドキドキしながら作ってるので、これからも一緒にドキドキしてください(´∀｀*) (2019年4月14日 23時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
モンキッキー(プロフ) - とても面白いです！読むたびにドキドキさせられます！これからも更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2019年4月14日 23時) (レス) id: c0ef88c023 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：緋毬 | 作成日時：2019年4月14日 22時
