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いざ出陣! ページ23

ーーこれが、私?
どこぞのキャッチコピーのようなフレーズが思わず出てくる。

お昼を挟みつつ、ヘアメイクやメイク、着替え、装飾品を装着して全身鏡の前へと連れられた私は自分の姿に驚愕した。

決して濃すぎない化粧は常の顔よりメリハリが出来ていてお肌はまるでシルクのよう、唇は瑞々しく潤っており厚みが出てぷるぷるしている。
整えられた眉、チークで彩られた頬、ぱっちりした目。


「とても素敵に仕上がりましたわ。私の人生で最高の出来かもしれません!」


服に合わせた大人テイストのメイクに、マッチさせた髪型。
鞄を持つ手の先もキラキラと控えめに光を反射している。

…恐るべしノゼル団長の見立てとシエラの技術。

そんな事を思いながら鏡の前でくるくる全身を確認していると鏡越しに叔母さんと目が合った。


「って叔母さん⁉」

「Aちゃん……素敵、素敵よ…グスッ。」

「何で泣いてるの⁉どうしたの叔母さん!」


口元を抑えて目をパチパチさせ涙を散らす叔母さん。
私がオシャレして泣いてしまうとはこれ如何に。


「ごめんなさいね、Aちゃん…大きくなったわね。こんなに綺麗になるなんて…グスッ。どこへ出しても恥ずかしくない立派な令嬢だわ、あなたは私の自慢の姪よ。」

「叔母さん……。」


私が騎士団に入った事で、いっぱい心配かけていたんだろう。
休みの度に顔を出してはいるが、頻繁とはいかない上に家で落ち着くなんて事ここ数年はなかった。
もう少し、この家で過ごす時間を作ろう。


「Aちゃん、お嫁に行っても時々は帰ってきてね…グスッ。」

「っていきませんからね⁉叔母さん私ご飯食べてくるだけだからね‼」


その気にならないで!
慌てる私に叔母さんはケロッと返す。


「…あら、そうだったかしら。でもこんなに綺麗なんだもの、王族とはいえイチコロね!」

「私はまだ結婚しないからね!まだまだ騎士団で頑張りたいんだもん!」

「でもAちゃん綺麗だから王族くらいしか釣り合わないと思うわ!」


いやいやこれ本日限定ですから。
素は並の並ですから。
そして姪バカすぎるよ叔母さん。
身内びいきにも程がある、というかあの元から整った王族の方々には足元にも及ばないですし。


「A様、そろそろ…。」

「あ、そうね。じゃあ行ってきまーす!」


ピッと背筋を伸ばして、なるべく優雅に。
中身が装いに負けないよう姿勢を正して家を出た。

対面→←・



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緋毬(プロフ) - まゆさん» 感想ありがとうございます!今の所いい勝負なのでまだどっちに転ぶかわかりませんね…(笑)私も書いてて楽しいです(*´艸`*) (2019年4月7日 17時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - はじめまして!私はフエゴレオン様が大好きなので、ぜひそっちとまとまって欲しいです。あぁ……でも嫉妬するフエゴレオン様も見てみたい……(///∇///)ゞ (2019年4月7日 14時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございますヾ(*´∇`*)ノ頑張ります! (2019年4月4日 17時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンプ - 面白かったよ (2019年4月4日 16時) (レス) id: ea5f79410c (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございます、今の所いい具合に進められているので、頑張って走ります(*`・ω・)ゞ (2019年4月4日 9時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緋毬 | 作成日時:2019年3月31日 23時

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