報告 ページ3
ところで、ここで悩ましいのが上司へ報告するか否かだ。
通常ならそんな報告は不要だが何せ、うちの団長も王族である。
(何か情報回るの早くて外堀が埋まっちゃったりしたら、すごく面倒な予感しかしない)
そしてその上司とお見合いなんて事もあり得るのかも知れないのだ。
ここは一度報告という名の釘を刺してきたほうがいい気がする。
ついでに相手を探れればいいんだが。
「叔母さん、ちょっと出かけてくるね。」
「ええ、夕食はAちゃんの好きなものを用意させるからそれまでには戻ってきてね。」
「はーい。」
(服…は休暇中だしこのままでいっか。ローブだけ持っていこ)
赤のローブを腕に掛けて持ち、家を出る。
私の気持ちとは裏腹に、抜けるような青空と爽やかな風に追い立てられ、気付けば足早に街を駆けていた。
紅蓮の獅子王団。
厳格なその佇まいの建物は、いつもと変わらず私を迎えた。
門まで来た所でローブを羽織って中へと入る。
日中は任務に出ている者も多く、内部はちらほらと人が居るもののいつもの騒がしさは感じられずひっそりとしていた。
が。
それは通りがかった一人の青年の登場で打ち破られる事となる。
「あ、レオ!団長は部屋にいr「Aーーー!!!!」
(え。)
私が声を掛けて、レオが私を認識するや否や大ボリュームの音撃が耳を貫く。
その勢いのままにズダダダダダとこちらへ全速力で駆けてくる。
正直、怖い。
反射的に身を翻して彼とは逆に走り出す。
「なっ⁉何故逃げるのだァァァ!!!!」
「何で追っかけるのよォォォ‼」
「Aが逃げるからだろうが‼」
「レオが追いかけてくるからでしょー‼」
大音量全速力の追いかけっこは団中に響き渡り、自室に居た面々も何だ何だと顔を出す。
ギャラリーが増える中、必死で逃げていた私。
だが、思い出してほしい。
日々鍛えては居るものの私は戦闘要員ではなく、レオはバリバリの戦闘要員。
何が言いたいかというと、そもそも基礎体力も能力も違いすぎるのだ。
当初あったはずの距離はぐんぐん詰められ、もはやここまでと迫ってきたレオが、次の瞬間とんでもない事を叫んだ。
「Aっ!!!!結婚すると言うのは真かっ!!!!!!!」
「はっ⁉」
驚きのあまり意識をそちらへ持っていかれる。
瞬間、足を取られてしまい、そこへ勢いそのままレオが突っ込んで来る。
あ、終わった色々。
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緋毬(プロフ) - まゆさん» 感想ありがとうございます!今の所いい勝負なのでまだどっちに転ぶかわかりませんね…(笑)私も書いてて楽しいです(*´艸`*) (2019年4月7日 17時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - はじめまして!私はフエゴレオン様が大好きなので、ぜひそっちとまとまって欲しいです。あぁ……でも嫉妬するフエゴレオン様も見てみたい……(///∇///)ゞ (2019年4月7日 14時) (レス) id: 8902c85bfe (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございますヾ(*´∇`*)ノ頑張ります! (2019年4月4日 17時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
ジャンプ - 面白かったよ (2019年4月4日 16時) (レス) id: ea5f79410c (このIDを非表示/違反報告)
緋毬(プロフ) - ありがとうございます、今の所いい具合に進められているので、頑張って走ります(*`・ω・)ゞ (2019年4月4日 9時) (レス) id: ef0ebcf362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:緋毬 | 作成日時:2019年3月31日 23時