都市伝説系歌い手５。【歌い手】

｛２１９｝side：うらたぬき ページ27

犬派さんから呼ばれて俺がチラチラと犬派さんとネコさんに目配せすれば、察してくれたらしく３人でレコーディング室に向かった。

レコーディング室に到着して、ひとまず俺は前もってコラボしたい歌のRe:birthedを２人に聞かせた。




A「おー、テンポ早いの選んだね。
私も何回か聞いた事あるよ」

眞弥「確か、これの前の曲のからくり卍ばーすとの完結曲でネットでは色んな解釈があるわね」

A「同じ孤児院で育ったリンちゃんとレンくんが、殺戮人形と特殊兵士になってそれぞれ殺し合う･･･切ないと言うかなんと言うか」

うらた「それでさ、この曲の途中で･･･セリフっつーかやり取り入れたくて」

A「やり取り？」

眞弥「アレンジのひとつね。
その曲の間奏の間とかにやるやつ」

うらた「うん、それ。
この前･･･声劇の時、お世辞抜きに犬派さんの演技凄かったから。中でも姫の幼少期から青年期に変わる時の声変わりのシーンとか、一緒にアフレコしてた俺まで鳥肌立っちゃって。ほんと、凄いよね犬派さんって。声帯もそうだけど、ワンシーンワンシーンの場面をちゃんと読み取って言葉に感情を乗せてるって言うの？ちゃんとその登場人物になり切ってるし。ああ、あとラスト手前の平民の青年として生きるか皇族の皇女として生きるかn」

A「とどのつまりリンちゃんレンくんが歌ってるRe:birthedをセリフ込みでやりたいって事でおk？」

うらた「(ハッ)あ･･･っ、ご･･･ごめん。思い出したらテンション上がっちゃって･･･。
う、うん。やりたい」




ついついあの時の犬派さんの表情とか言葉遣いを思い出して熱が入っちまった･･･！

は、恥ずかしい･･･。




A「私は全然構わないよ。
歌うのももちろん好きだけど、たまには声劇みたいなアフレコとかも割と好きだし」

うらた「･･･ほ、本当！？」

A「ほんと。
パート分けは私がリンちゃんでうらたんがレンくんでいい？」

うらた「うん･･･っ。
･･･っあー、マジで嬉しいんだけど」

眞弥「Aが殺戮人形でうらたんが特殊兵士･･･うわあ、これ子わんこと子たぬき色んな意味で死ぬわ･･･」

A「んー、まあそこら辺は死なない程度に殺すよ」

２人「「(死なない程度に殺すとは)」」




さらっと怖い事を言ってのける犬派さん。

･･･俺もその子わんこの１人なんだけど･･･俺、生きてられるかな()

｛２２０｝side：センラ→←｛２１８｝

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す