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luz「・・・え、今なんて・・・?」
グラスの中の氷がカランと音を立てた。
天月「だから、犬派ちゃんの事を諦めたらって言ってるの」
仕事も無いしたまには普段あまり入らない喫茶店にでも寄ろうかなと思って、道すがらにあった喫茶店に入ったらそこに居たのが天月くんやった。
せっかくやから隣に座って、「最近どう?」とか何気ない雑談をしていたら・・・話が途切れた折にそう言われた。
天月「今日さ、眞弥ちゃん・・・あ、ネコちゃんの事ね?
その眞弥ちゃんにバイト先の制服届けに家に行ったんだ。そしたらちょうどあらきくんの車が停まってて、玄関先にお洒落してるあらきくんと犬派ちゃんが居たんだ。
なんとなく話しかけづらくて、隠れて様子見てたんだけど・・・話の流れからしてあの2人、付き合ってるよ。自分達の事彼氏とか彼女とか言ってたし」
ビックリしちゃったよ。
そう言いながらこっそり撮った写メを僕に見せてきた。
そこには確かに玄関先で抱き合う、わんこさんとあらきくんの姿。
・・・っ、。
天月「いつから付き合い始めたのか知らないけど、良い雰囲気だったよ?
きっと今頃どこかでデートして、雰囲気のあるレストランとかでご飯食べてラブホにでも行くんじゃないかな」
luz「・・・・・・っ・・・」
天月「だから、諦めたら?」
僕を思って言ってくれてるのか、でもそれでいてどこか冷たい天月くんのその言葉に・・・僕は言葉を詰まらせた。
もう一杯頼もうとしていたアイスコーヒーの氷がまた少し溶けて、カランと音を立てた。
ちょっとだけ残っていたアイスコーヒーが、どんどん薄くなっていく。
外から入ってくる、都会の喧騒が遠く聞こえた。
・・・わんこさんと、あらきくんが・・・。
・・・・・・・・・。
っ・・・・・・でも・・・。
luz「・・・・・・諦めるんは、嫌や」
天月「・・・好きな人に、好きな人が出来たのに?」
luz「それでも・・・そうだと、しても・・・・・・。
何もしてへんのに、終わらせるなんて嫌や」
天月「・・・・・・自分の事を好きじゃなくて、告白してもフられるって解ってるのに?」
luz「両想いになれんかったとしても。
好きな子に片想いするんは・・・自由やから」
天月「・・・え・・・?」
luz「だってそうやん。
そりゃ、両想いになりたいけど・・・自分の想いを告げんで終わるなんて・・・僕は、嫌や」
天月くんの顔が、ほんの少しだけ。
歪んだ気がした。
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わんわん - 莉犬くんは声優だからいるんですか? (2020年10月6日 21時) (レス) id: 56b72fad6f (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - 語彙力のない長文失礼しました! (2019年12月22日 14時) (レス) id: be6a770117 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうな(プロフ) - めっちゃ面白くて毎ページ進むごとに吹き出してますww面白すぎこの小説マジ推し!!って言うのを伝えたくて最後まで読んでないのにコメントしちゃいました!これからも更新頑張ってください!!!!とりあえず宮野さんのロケット頭突き好きです。新規子わんこです! (2019年12月22日 14時) (レス) id: be6a770117 (このIDを非表示/違反報告)
暇犬(プロフ) - みんてぃあさん» コメントありがとうございます。概要にも書いてある通り、声優さんが登場します。歌い手活動だけして歌い手さんだけしか登場しない作品が読みたいのでしたら他の方が書いてる夢小説へお願いします。 (2019年9月1日 19時) (レス) id: 19fb70c740 (このIDを非表示/違反報告)
みんてぃあ - んんー?なんかもはや、歌い手じゃなくね?ww 声優さんは全然わかんない〜♪ (2019年9月1日 19時) (レス) id: 0ceb643d74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暇犬 | 作成日時:2018年4月18日 6時