都市伝説系歌い手２。【歌い手】

｛７４｝side：nqrse ページ26

まさかおもちゃのナイフであそこまでの演技力とは･･･。
マジで心臓に悪い。

俺らがその路地裏に入ったのは、今目の前ですこ家の牛丼を食べてる美形が嬉しそうにしながら路地裏に入っていくのを見たから()
ちょうど俺はバーで酒飲んで酔っ払ってて、あらきは俺の回収係。そして帰る時に、美形を見つけた。


･･･薄汚い路地裏に、あんな綺麗な表情で入って行くものだから俺らは気になった。
そしてその路地裏で、美形が喜んだり怒ったり悲しんだりし始めた。
で、次は楽しそうにしてた。
そして前のページの状況と言う訳だ。




「っふぅ･･･！
いやあ、なんかすみませんね。ご馳走になっちゃって。３日ご飯抜いてて更に財布も持ってなかったので･･･」

あらき「･･･更に聞きたい事増やさないでくれ。
てか、そもそもなんであんな事やってたんだよ？」

「うーん、知らない場所なら自分の表情を最大限に引き出せるんじゃないかって思って」

nqrse「感情･･･？
･･･そう言えばさっき、嬉しそうにしてたり怒ったりしてたよね」

「心って難しいですよねー。
私今までその曲の世界観に合わせて感情を乗せてたから、それで今回もまた曲の世界観から入っちゃってて･･･でも、二人に会えて良かった」

あらき「は？なんで？」

「だって、聞き手が居ないと歌い手って成り立ちませんし」




なんだこの子()

･･･て言うか、歌い手･･･？




nqrse「え、歌い手なの？」

A「新人もいいとこですけどね。
犬派って歌い手やってます。
･･･っと、そろそろ帰らなきゃ･･･。
それじゃ、ありがとうございました。お代はいつかお返ししますね」にこ)




そう言ってさっきまでの感情豊かだったのが嘘みたいに、犬派と名乗った美形は店を出て行った。

･･･ん･･･犬派？




nqrse「･･･luzが言ってた、歌い手･･･。
確か犬派って名前だったよな」

あらき「･･･あー･･･もうさ、帰るっつってたし放っとこうぜ」

nqrse「･･･だな。
･･････てか。どう思う？」

あらき「男にしろ女にしろ顔かっけえ･･･。
その上声まで綺麗とか･･･パネェ」

nqrse「いやそれもだけど、さっきの演技」

あらき「･･･ゾクッてした」

nqrse「･･･俺も。
なんかさ、犬派のライブ超見てえ･･･」

あらき「･･･同じく」




さっきの感情表現？を作曲活動に役立てるとしたら･･････どんな歌になるんだろう。
俺には無理だ。

･･･いつかライブ一緒にやりたいな。

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