＠ ページ4
１人と４匹の空腹も満たされ、改めて向かい合う。
とは言っても４匹はお互いに顔を見合わせたり自分の身体をぺたぺたと触ったりして確かめている。
その様子を見ていたAが、ひとつの仮説を立てて口を開いた。
A「･･･もしかして、本来の姿が人間だったりする？」
４匹「「！！」」
A「図星か･･･。
君達を見てる限りだと、魔法と言うものを見るのも初めてみたいだし･･･」
「魔法！？
え、やっぱさっきのって魔法なん！？すごっ」
「いやいやいや･･･ちょお待って？
確かにこの目で見てもうたけど･･･ありえへんやろ、魔法とか･･･どこのファンタジーや」
A「ファンタジー･･･と言うと、魔法すら存在してない世界から来たって事か」
「は？
なんだよ、魔法すら存在してない世界って･･･」
A「じゃあ聞くけど、君達が知ってる西暦は何年？」
なぜそんな質問をするのか。４匹には解らなかった。
義務教育を卒業している誰もが簡単に答えられるその質問に、リスが「西暦２０１８年やろ」と当然のように答える。
その回答に、Aは僅かに目を見開いてから目を閉じた。
そしてまた口を開く。
A「混乱させるようで悪いけど、現在進行形で私達が居るこの魔界の西暦は･･･３０１８年」
「･･･は？」
A「そもそも西暦２０１８年から、人間界は世界軸が止まったままだよ」
「「？、･･･？？？」」
A「正確に言うと･･･人間界は西暦２０１８年７月２日日曜日午後０時から、時間が止まったまま文字通りに動いてない」
何を、言っているのだろう。
７月２日、日曜日午後０時･･･時間が止まった？
４匹はAの言葉に理解出来ず、言葉を詰まらせた。
A「信じる信じないは君達の自由。
もし私の言葉を信じられないって言うなら、そうだな･･･君達の知る元の世界に連れて行く事も出来るけど」
「えっ、ええの？」
「･･･ほんなら、お願いしてもええ？
正直、あんたの言う事をすぐに信用しろって言われても無理や」
「･･････そうだな。
世界軸だか知らないけど、他人に口で説明されてはいそうですかって納得出来るかよ･･･」
「えー、他人やないやん。
僕らの怪我手当てしてくれたし、美味しいご飯まで作ってくれたし！」
にこにこと喋る犬。
･･･いや、確かにそうなんだがそれでも他人では･･･？
とにもかくにも、４匹はAに元の世界に連れて行ってもらう事にした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 118人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：暇犬
| 作成日時：2018年5月29日 22時
