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ページ15

キノ「僕はキノ。こう見えて吸血鬼(ヴァンパイア)だよ。
ここから割と近い所に住んでる。Aとは・・・まあ、なんと言うか協力し合う関係かな」

4匹「「ヴ、ヴァンパイア・・・!?」」




当初の目的である、頼んでいた薬をAが完成させて持ってくるまでの間キノは4匹と自己紹介をしていた。

4匹とも、キノが危険な存在ではないと解ってそれなりに警戒心を解いている。




キノ「うん、吸血鬼」

センラ「・・・ほな、Aちゃんの血も吸うん?」

キノ「吸えたら苦労しないよ。
・・・で、あんた達はなんなの?やっぱAが作ってた人の言葉を喋れるようにする薬の実験体成功例?」

志麻「え・・・」

A「人を血も涙も無い冷酷非道なマッドサイエンティストみたいに言わないでくれる?
はい、頼まれてた薬」




ふわっと現れたAに50cmくらいの大きさの薄い麻巾着袋を手渡され、キノは縛り紐を軽く解いて中身を確認した。

しかしキノが取り出したのは4匹にとって薬と思えない形のものだった。




坂田「・・・クッキー・・・?」

A「ううん、薬。
基本的にどんな形にも出来るよ。味は万人受けで甘さ控えめ、効果は保証するよ」

キノ「前はイチゴの形だったよね。
・・・さて、報酬についてだけど・・・」

A「いつも通り、次の満月の夜までカラスくんレンタルでいいよ」

キノ「・・・口止め料は要らないの?
そっちのうらたぬき達の、さ」

A「・・・何の事?」

キノ「とぼけちゃって。
僕だってAほどじゃないけど、多少の魔法は使えるんだ。だからなんとなく解るよ。
・・・そいつら、魔法もかけてないし魔法薬を飲ませてもないでしょ」

4匹「「・・・!!」」




内心舌打ちをしたくなったA。
有耶無耶にしたまま適当にやり過ごそうとしていたのだが、キノは勘づいていたようだ。

先程まで薄れていた緊張感が、また4匹に走る。
だがAは至って焦る様子も無く冷静にキノに答える。




A「バレてたか。まあ、時がきたら向こうに行くつもりだよ。行きたくないけどね。
・・・彼らが私達(・・)にとって無害なのは私が保証するし、彼らを保護してる手前身の安全も守る気では居るよ」

うらた「・・・!」

キノ「へえ・・・随分と肩入れするね。
じゃあさ、あの人にはまだ言わないでおく代わりに・・・」




立ち上がって、Aに近寄るキノ。

その様子にセンラがまたもやムッとした。どうした()

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作者名:暇犬 | 作成日時:2018年5月29日 22時

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