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4匹を2階にあるそれぞれの部屋やキッチンやらトイレや風呂に案内してから、Aは1階の書庫に向かった。案内と言うか体調不良にならない程度に魔法で彼らの脳内に家のマップを伝えただけだが。
ちなみに4匹それぞれの体格に合わせて家具や段差を調整してある為、届かないなどの心配は大丈夫だ。
書庫(と言うよりは図書館に近いが)に着いて早1時間。
Aが本を読んでいると、黄色いもふもふしたものがふたつ。ぴょこんとテーブルによじ登ってきた。
A「・・・ん?」
センラ「あ、居った」
A「ああ、センラか。
どうした?」
センラ「いや、なんかあったとかや無いんやけど・・・魔界にはどんな本があるんかなあ思って」
A「どんなと言われても・・・ここにあるのはつまらない内容の本ばかりだよ?」
センラ「それでも読みたいねん。
あっちでは時間止まってる言うても・・・僕らの時間は止まってへんから」
A「・・・・・・暇も人の気を狂わせる要因のひとつ、か。
いいよ。読みたいなら読んでも」
テーブルの上にちょこんと座って「ええの?」と返すセンラ。どうやら断られると思っていたらしい。
A「うん。
・・・ああでも、魔界言語と人間界の文字は違う・・・・・・いや、でも待って。今更なんだけど・・・センラ達の喋ってる言葉って・・・」
センラ「え?・・・日本語やけど」
A「・・・日本語・・・。
・・・・・・・・・・・・。・・・私が喋っているのは、魔界言語・・・つまり魔界の住人の言葉なんだけど・・・これもその日本語に聞こえる?」
センラ「うん。
・・・あっ。でも、そうなるとおかしない?
それって・・・」
A「ありえない、だろうね。
・・・何故か世界軸が止まった人間界から、何故か動物化してタイムスリップして何故か魔界へ来た。・・・まあ、ここまでくると魔法だとは考えにくいね」
センラ「魔法やないって・・・」
A「人間界で言う、超常現象。
でもそうなると、私の知識では・・・・・・やっぱアイツに聞きに行くしかない、か・・・(ボソ)」
センラ「Aちゃん?」
A「あ、なんでもないよ。
・・・そう言えば、本を読みに来たんだったよね。どう言うのが読みたい?」
呟きが気になったものの、その後センラはAに解らない所を聞きながらも読書をしたのだった。
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作者名:暇犬 | 作成日時:2018年5月29日 22時