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鉄枷をはめられてる訳だから、抵抗しようにも満足に出来ない。
そもそも死ぬつもりで身を投じたんだから、生きるのをやめて死ぬはずだったんだから抵抗する必要なんてない。
ギリ・・・と右手で強く締め上げてくるうらたぬきの力は明らかに人間の成人男性のそれとは違う。
うらた「なあ」
A「っ・・・・・・」
うらた「この状況でそんなクチ利くとか・・・お前、わかってんの?
てか、なにその格好。人間どもにドレイにされてたとか?」
A「、・・・っ・・・るさい・・・」
志麻「おーおー、随分と活きのイイ女やな・・・」
「ふふ、こう言う気の強い子はただ生気を吸い殺すんじゃカワイソウやね・・・」
「うーわー、可哀想とか思ってへんのによく言えるねセンラ」
センラ「えー、思ってますよ?
かわいい女のコは・・・殺さんでって懇願しながら死んでく顔が一番キレイだから僕は好きですわ」
うらた「センラの性癖は置いといて・・・まあ、一理はある。いっつも死にたい奴を殺すだけとか・・・つまんないよな」
ぱっ
不意に首を離されて、入ってくる酸素。
ゲホゲホと咳き込んでいれば、ガシャンと鈍い音がして首が重くなった。
今の今まで両手と両足に着けられていた鉄枷と鉄球が消えて、ジャラリと首の近くから重い音がした。
それは鎖らしく、目の前に立つうらたぬきがその鎖を持っている。まるで、ペットにつける・・・。
志麻「うーわ、首輪に鎖とかうらたさんもいい趣味してるわ」
うらた「だろ?
なあ、こいつ俺らの屋敷で飼わねえ?」
センラ「クスクス・・・それ、いいですね。
僕は賛成ですわ」
志麻「俺も賛成〜。坂田は?」
坂田「賛成に決まってるやん!」
うらた「決まりだな」
何を、言ってるんだろう。
屋敷で飼う?とても人道的な言葉とは思えない。まあ国の奴らも私に人道的な言葉をかけてくれた覚えなんてないけど、こいつら・・・人間と思えない。
私の意思を無視して会話を進める彼らを睨んでいれば、不意に息が苦しくなる。
っ・・・なに。これ。
堪らずにその場に倒れ込めば、またクスクスと嗤い声が耳に届いた。
A「ッ・・・・・・、」
うらた「言っとくけど、お前に選択権はあっても拒否権は無いから。俺達はいつでもお前を殺せる。・・・薄々勘づいてるんだろ。俺達が人間じゃない、ってさ」
視界が段々と狭まっていく。
このまま死ねたらな、なんて思いながら私は意識を手放した。
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エス(プロフ) - 更新停止中ですがまた書いて欲しいです! (2020年6月1日 22時) (レス) id: 3190ad61df (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - すごく好みです!更新待ってます、! (2020年4月27日 17時) (レス) id: 4f83e9d9b1 (このIDを非表示/違反報告)
優姫(プロフ) - 加恋から改名したものです!前にもコメントしましたがこの作品世界感から、情景の表し方とか好きです。応援してます。 (2018年11月8日 20時) (レス) id: a847480144 (このIDを非表示/違反報告)
むぅな(プロフ) - すごくおもしろかったです!浦島坂田船のかっこよさも何一つ欠けていない上に独特な世界観。大好きです。質問ですがもう終わってしまうのですか?続くではなく終わりと書いてあるので、、、終わらないでください!!! (2018年11月4日 21時) (レス) id: f63dac09fd (このIDを非表示/違反報告)
ALICE - こういう小説本当好きです!! 更新頑張って下さいっ! (2018年8月28日 13時) (レス) id: 3110886a37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暇犬 | 作成日時:2018年6月13日 0時