都市伝説系歌い手。【歌い手】

｛３７｝side：luz ページ38

ピコに見せてもらったのは、見てて気分が良くなる内容なんて一つも書き込みされてない犬派さんのアンチスレッドやった。

アンチスレのタイトルは「犬派アンチ集合」。


＞ビッチなんじゃない？
＞あー、言えてる。女歌い手とコラボしないしね
＞え、じゃあluzすんもさかたんも犬派とヤったって事？
＞そうだとしたらサイテーだな犬派
＞マジ炎上しろよ･･･
＞て言うか性別もわかんないよな
＞動画MIXとかアレンジは普通に上手いけど、犬派の声邪魔。
＞誰か炎上ネタしらね？あったら拡散希望
＞とりあえず子わんことかほざいてる奴らは糞
＞luzすん達子わんことかじゃないよね。
＞さあ･･･もしそうなら早く目を覚ましてほしい
︙
︙


luz「･･････なん、なん･･･これ」

ピコ「傍(はた)から見ても酷いよな。
俺は別に下手とは思わん買ったけどなー。寧ろ上手いとも思ったし」




胸がムカムカする。

好き放題言い放題、なんも知らん癖に匿名で書き込まれてる内容に吐き気さえ感じた。


ピコにスマホを返して、一旦深呼吸する。
･･･なんやの。なんやの、あれ。

僕やって後ろめたい過去は無いなんて言い切れない。実際軽度の炎上とかもした時もあった。
それを、わざわざ拡散しようとする気持ちが理解出来ん。




ピコ「･･･今のところ批判コメだけで済んでるけど、ここまでアンチ増えてるんならどんな些細な炎上ネタでもそれに根も葉もない事付け足して事を荒立てるだろうな。こう言うのは」

luz「･･･なんとか、出来んの？」

ピコ「そうは言っても･･･。
luzだって知ってるやろ、アンチ相手に何しても意味無いって」




その言葉に、僕は言葉を飲み込んだ。

･･･そうや。
確かに、アンチが発生してしまえばその炎上ネタについて「謝罪ツイート」とか「否定ツイート」をしても居なくならない。むしろ、増えるだけ。

中にはリスナーが反応してアンチがそれに食いついて、そのリスナーの原点とも言える歌い手の世間の評価が落ちてしまう時だってある･･･。


今のところわんこさんは無反応やし、子わんこのみんなもそう言うツイートしとらんからええけど･･･。
この先、子わんこの誰か一人が反応してしまえばどうなるか･･･。




luz「･･･何も、無いとええけど･･･」

ピコ「こればっかりは、周り(俺ら)がどうこうしたって仕方ないからな･･･」




この時の僕の心配は、数日後に最悪なかたちで的中する事になる。

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