海 ページ50
トウカシティに戻ったあの日から早くも10日以上が経過。
何事もなく無事にキンセツシティへと辿り着いたレイラの目の前に広がるのは、旅人の行く手を阻む青。
「天気は……味方してくれた……」
快晴、とまではいかないが、雨を降らせそうにはない空を見上げる彼女の横で頷くのは白く小さな羽ではためくポケモン。
こと、トゲチック。
トゲピーの進化系だ。
レイラの知る限り、トゲチックはもう一段階の進化を遂げるらしい。
と言っても、条件は不明だが。
「海航る時……何かあったら頼むよ」
念を押すマスターに「わかってる！」とでも言いそうに鳴き声をあげたトゲチック。
そんな彼の様子にようやく行く気になったのか、レイラは軽くモンスターボールを放り投げる。
繰り出されたギャラドスは久々の海に体をうねらせ、思う存分水を撒き散らす。
「はしゃぐのも良いけど……向こう岸に連れてってくれるか……？」
それなりに濡れた顔に薄い苦笑を浮かべるレイラにハッとしたようなギャラドスは、すぐさま彼女の乗れるように背を低くする。
「アンタの素直なトコ……良いと思う」
跨がったレイラにポンポン、と軽く背を撫でられ満足そうに彼女を振り向いたギャラドスは、ゆっくりとその身で海を裂き始めた。
頬を撫でる潮風はレイラのフードを背中へと持っていく。
今だけはいらないだろ、とでも言わんばかりのその風に彼女も被り直すことを放棄したようだ。
銀髪を露にするマスターを、珍しそうにありとあらゆる角度から見つめるトゲチック。
「たまには、な……」
多少なりとフードが無いと恥ずかしいのか、レイラは自分に言い訳をするように言葉を溢す。
そんな彼女を連れた海の旅は、船旅よりもずっと快適なものになりそうだった。
お久しぶりでございます。
ずっと更新が進まなくて申し訳ありません！
作品を中途半端に終わらせるつもりは全く無いのですが、更新を定期的に行えるかと問われると頷けない状況です。
お決まりの台詞ですが、気長にお付き合いください！
CrazyBook
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CrazyBook(プロフ) - コメントありがとうございます！本当に気長にお待ちください。 (2019年8月12日 9時) (
レス) id: 89127ffd6d (このIDを非表示/違反報告)
菜々美 - この作品好きです！ゆっくりでいいので更新頑張ってください。 (2019年7月18日 16時) (レス) id: 179628e6fd (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - かしわさん» コメントありがとうございます！完結するまで更新し続けますので気長にお付き合いください！ (2019年3月24日 21時) (レス) id: 8c59f4ad06 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ - この作品好きです。更新頑張って下さい。 (2019年3月23日 1時) (レス) id: 356d08c55f (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - ルインさん» コメント、ありがとうございます！嬉しい限りです！これからも気長に読んでください！ (2018年7月19日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2018年3月28日 22時
