テッセン ページ1
No side
「何か……何もしないで勝ったな……」
ボソリと呟くマスターの顔を、アゲハントが覗き込む。
「あの……名前忘れたな……ま、さっきのアイツ……勝手にアタシに怯んでた気がする……」
どう思う……？と付け加えられアゲハントは首をかしげた。
静寂と薄暗さが続く中、彼女らは黙々とジムの奥へ進んでいく。
仕掛けは何も動いていないが、レイラは若干興味ありげに装置類をチラ見していた。
と、
「後悔……してない……？」
不意にレイラが口を開いた。
自分の事？と言いたげなアゲハントに彼女は続ける。
「アイツ……一応【元】トレーナーだろ……？戦いたく……なかったか……？」
珍しく後悔らしき言葉を口にするマスターに、アゲハントはニコリと微笑む。
「はぁんっと！」
ふるふる、と首を横にふる彼女にレイラはソッと手を伸ばす。
と、
「私はレイラが一番好きだから……」
頭に流れ込んできた可愛らしい声に、彼女はすぐさま手を引っ込めた。
辺りを挙動不審に見渡すレイラを心配そうに見つめたアゲハントも、すかさずボールに戻された。
「まただ……何だよコレ……」
思わずレイラは声を漏らす。
その時、
ぱっ、
レイラのいるフロアが一気に明るくなった。
急な光に、彼女は思わず手で影を作り目を細める。
彼女の視線の先には１つの人影が。
「ありゃ、本当にチャレンジャーがおったんか！」
ガハハハハ！と豪快に笑った人影はレイラに近寄ってくる。
それは、白いTシャツの上に、黄色と茶色の迷彩柄のベストを羽織った初老の男性だった。
男性は、少ない髪の毛と同じ色の刺々しい髭を数度触り、フードを被ったレイラをじっと見つめる。
「いい目をしとるな。ガハハ、これは痺れるバトルができそうだ！」
バトル、と言う単語にレイラは数度瞬きをする。
「アンタが……ジムリーダーの……テッセン…………さんですか……？」
「その通り！」
慌てて付け加えた語尾も気にせず、テッセンは頷き、主張を始めた自身の腹を叩いた。
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CrazyBook(プロフ) - コメントありがとうございます！本当に気長にお待ちください。 (2019年8月12日 9時) (
レス) id: 89127ffd6d (このIDを非表示/違反報告)
菜々美 - この作品好きです！ゆっくりでいいので更新頑張ってください。 (2019年7月18日 16時) (レス) id: 179628e6fd (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - かしわさん» コメントありがとうございます！完結するまで更新し続けますので気長にお付き合いください！ (2019年3月24日 21時) (レス) id: 8c59f4ad06 (このIDを非表示/違反報告)
かしわ - この作品好きです。更新頑張って下さい。 (2019年3月23日 1時) (レス) id: 356d08c55f (このIDを非表示/違反報告)
CrazyBook(プロフ) - ルインさん» コメント、ありがとうございます！嬉しい限りです！これからも気長に読んでください！ (2018年7月19日 19時) (レス) id: 31b46a970e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：CrazyBook | 作成日時：2018年3月28日 22時
