109話ですよ。 ページ25
そのままグイッとこちらに引っ張った。顔を覗き込むと五虎退の目は生気がなく、さっき私を殺そうとした時の目と同じだった。
繋いでいる手を離さず、五虎退に声をかける。このまま闇に飲まれたら大変。私の命が狙われちゃう。
『五虎退様！五虎退！！分かりますか？！』
五「…！ぼ、僕は何を…。」
『声、私にも聞こえました。おいでおいでと何かを呼んでいるような声。その途端、五虎退様の様子がおかしくなったので五虎退様を呼んでいたのでしょう。』
五「す、すみません…。僕は役人様を守るために着いてきたのに…。」
『大丈夫ですよ。傍にいてくれるだけでとても助かってますから。』
きっとまた、あの声が聞こえたら五虎退は操られるだろう。役人を殺せと言われたら私に切りかかってくるだろう。まぁ、その時はその時で。
『よし、今度こそ。』
五虎退には霊の声が聞こえないようにお呪いをこっそりかけておいた。その時はその時でとか言ったけどやっぱり超怖かったから。この先何があるか分からないし。
五「ま、まま真っ暗で怖いですぅ…。」
『大丈夫ですよ。手を繋いでいればそこに私がいると分かるでしょう？』
五「うぅ…。はい…大丈夫です…。」
共に恐る恐る3歩ほど中に入った。まだ近いから大丈夫だけど奥に入ったら出口見つけれなさそう…。
『よし…。帰りの時すぐ帰れるように出口は開けたままで行きまし…。』
バタン！！と扉が閉まる音が聞こえた。まぁ、フラグ回収するよね。音に驚いて2人が振り返ってもそこは真っ暗で、もう人生終わったかなみたいな。ははは、もう無理だぁ帰りたいよぉぉ。
『…。閉まっちゃいましたね…。』
五「真っ暗ですぅぅ…。」
ぎゅうとお互いが近寄り腕を抱いている状態。いつもの私なら五虎退ぎゃんかわとか言ってるけど今はそれどころじゃない。
『せ、せめて結界的な何かで印を……。』
左手は今五虎退を抱きしめるのに忙しいから携帯を持ったまま右手でドアがあった所をかざす。呪文を言うと扉のドアノブ辺りに赤い印が着いた。これでまぁ一安心かな。
『よし…。あとは進むだけ…か。』
部屋の奥の方を見ると、さっきは無かったはずなのにほんのり明かりが見える。青白いような紫がかってるような。
五「あれ…。さっ、さっきもありましたか…？」
『無かったはずなのですが…。』
どちらにせよ進むしかない。行きたくないけど。
足をがくがく震わせながら五虎退と奥へ奥へと進んで行った。
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光莉(プロフ) - 彼方さん» あの頃の10番はきっと疑わない性格だったんでしょうね....。少し走ってしまってちょっと読みにくい文面になってしまい申し訳ないです(´・ω・｀)またこの辺りは本編で触れたいと思ってるのでその時にはもっと詳しく書けるようにします！応援ありがとうございます！ (2019年5月23日 7時) (
レス) id: 78dc364c5f (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - 流れるようにブラックな部署に配属された10番さんが哀れな様なちょっと面白いような。これは逃げられませんね。でも人事の目は正しかったんだなと今までのお話読んでてよくわかるのて、良かったです！10番さん光莉さま、お身体に気をつけて、これからも頑張ってください (2019年5月22日 20時) (レス) id: 90eb996ab4 (このIDを非表示/違反報告)
光莉(プロフ) - 彼方さん» コメとリクありがとうございます！入社のお話はいつか書きたいと思っていたのでリクを頂きとても嬉しいです！ブラック会社云々はどうだったんでしょうね...？公開まで今しばらくお待ちください！ (2019年5月15日 8時) (レス) id: 78dc364c5f (このIDを非表示/違反報告)
彼方(プロフ) - はじめまして。一気読みさせていただきまして、とても好きな作品だと思いました。丁度リク募集中とのことで、図図しいですがリクエストさせていただきたいです。10番が引継部に入社？した時のお話とか読んでみたいです。まだブラックな職場とは知らないのでしょうか。 (2019年5月13日 15時) (レス) id: 90eb996ab4 (このIDを非表示/違反報告)
光莉(プロフ) - iceblast5さん» ありがたいお言葉ありがとうございます！ゆるゆると更新していきますが、頑張ります！ (2019年5月2日 11時) (レス) id: 78dc364c5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：光莉 | 作成日時：2019年5月1日 14時
