今宵、壮行会で貴方と。

ヒロトくんと ページ7

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A→2年生。ヒロトは付き合っていない。









あぁ。





やってしまった。





ヒールを脱いだ左足の踵には、赤い血がついている。







人生初の"靴擦れ"だった。






心中は不安と焦りでいっぱい。













私、まだ一口も料理食べていないのに…






誰に助けを求めればいいんだろう。






外のベンチに座っているので、次第に体も冷えてくる。





すると、





ちゅるちゅるとした髪の毛が特徴的な少年が現れた。






「靴擦れか？」




それは、イナズマジャパンの選手の1人、「吉良ヒロト」くんだった。




あまり話したことは無かったけれど、勇気を振り絞って話すことにした。




「うん。そうなの。痛くて歩けなくて…」





私がそう言うと、「チッ」という舌打ちと共にヒロトくんが答えた。






「お前、困っているならもっと人を頼れ。」





へっ？





「仲間は支え合うもんだろ。」





「そ、そうだね」




実は私、人に頼るとなると、どうしても気を遣ってしまい、中々頼めないタイプなのだ。





「仕方ねぇーな。このゴッドストライカー様が中まで運んでやる。」





次の瞬間、私は、ヒロトくんに抱きかかえられ、ひょいっと持ち上げられた。






「お前…軽すぎだろ。もっと食べろ。」





「しっかり食べてるから！」







ん？





ちょっと待て。








この体勢ってまさか、






世の女子が憧れる









お姫様抱っこぉぉぉ！？









「どうしたんだよ。急に赤くなって。」


するとヒロトは私のおでこを触ってきた。




「熱はないみてーだな。」




私は益々赤くなった。








人生初のお姫様抱っこ。


一生忘れられない、キュンキュンとした体験だった。

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