Story.4 ページ5
私がボーダーというものの存在を知って入隊したのは3年半前の出来事だった。
望んでのことではない。お金が必要だったからだ。
ネイバーによる大規模侵攻から約1年。両親の残してくれていた貯金は両親の葬儀代と植物状態の妹の入院費に宛てがわれた。
沢山のお金が必要だが、当時高校生だった私に借金なんてできるはずもなく。生活費を引き落とすのも通帳の数字とにらめっこしては我慢した。
それでも日に日に減っていく貯金の残高が妹の命を繋げることができる残りの時間へのカウントダウンに見えて恐怖したことは今でも覚えている。
テレビやその他ニュースを追う余裕もなく、バイトと、高校と、病院を忙しなく行き来し、家がない私はひとりぼっちで仮設住宅の冷たい布団で眠った。
そんな中、たまたま街に張り出されていたボーダー隊員募集の張り紙を見て給料が出ることを知り、隊員になるための試験を受けて今に至る。
だからお金が必要で、強さが必要で。死にものぐるいで訓練をした。
「おいおい、妬けちゃうぜ。
「うっさいわね太刀川。こんなところで油売ってていいの？唯我が作戦室でメソメソしながら待ってるんじゃない？」
「あいつのお目付け役はおまえだろうが」
「面倒を押し付けてくるんじゃない。お荷物君の面倒ぐらい隊長が見ろ！！」
玉狛支部の私が何故太刀川隊所属なのかと言うと、私がボーダーに入隊してすぐの頃、太刀川が隊を組みたいと言い出して巻き込まれたのが発端だった。
最初はオペレーターすらいない2人だけの隊だったが、気づけばオペレーターが付き、出水が増え、お荷物こと唯我までねじ込まれ、抜けるタイミングを失って今に至る。
入隊同期で同級生である加古や二宮、そしてポンコツ太刀川ですら皆隊長をやっている。
私も隊長になりたいのだが、唯我の面倒をお前が見ろという上からの圧力のせいで太刀川隊を抜けることができずにいた。
そのうち太刀川隊として遠征にまで派遣されるようになり、玉狛支部所属の私が、何故か本部から遠征に駆り出されるという今の奇妙な状況ができあがったのである。
私の大槌は私専用トリガーで私のサイドエフェクトありきで扱うことを想定してあるため、私にしか使えない。
槌の先端の殴る部分は、私がトリオンを流し込むことで大きさを変えられる仕様である。
私は槌への出力を減らし、ゴルフクラブ状になった武器の柄で太刀川の孤月の攻撃を受け止めた。
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近藤。(プロフ) - レモンとみかん人さん» 私の文章力不足で申し訳ないですが、打月はオリジナル武器です……。孤月とは区別していますので、ご理解お願いします。 (2021年12月13日 10時) (
レス) @page4 id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
レモンとみかん人 - 打月じゃなくて、弧月ですよ (2021年12月11日 12時) (レス) @page6 id: 89af934301 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ハイホーさん» コメントありがとうございます！結構クセのある夢主ですがいい子なので！行く末を見守って頂けますと嬉しいです！ (2021年2月19日 18時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - 琉愛（るあ）さん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです、是非内容の方も読んで確かめて頂ければ幸いです！ (2021年2月19日 18時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
ハイホー(プロフ) - 近藤さん、新作連載ありがとうございます！！近藤さんの原作沿い小説が大好きなので、本当に嬉しいです！今回の主人公ちゃんも最初からインパクト強くてもう好きです……。遠征メンバーや迅たち以外のキャラとの絡みがとても楽しみです！執筆活動頑張って下さい！！ (2021年2月18日 6時) (レス) id: f4fc8fdd6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：近藤。
| 作成日時：2021年2月16日 12時
