Story.8 ページ9
物音に反応してすぐに扉を開けたのはサーとバブルガールだ。
「サー！！すごい音しましたけど終わりました？」
そう訪ねたミリオ先輩の目線の先のサーは口元に手を当てて下を向いていた。……笑ってる。
「初めて見た……」
そんなことを思いながら部屋を見渡すと壁についた足跡や割れた壁、壊れた家具で部屋はぐちゃぐちゃだ。
「ちょっと緑谷、部屋がボロボロ！！何してんの！！」
「え……サーに部屋はどうしてもいいって言われたから…………。」
「ああそうね！！そうだよね！！
……治すのは私なんですけど。」
そういうや否や床にぴったり両手をつけて部屋中の分解再構築を行った。３秒後には部屋の内装本体はすっかり元通りである。
それから、床に落ちてしまった資料などを拾い集め仕分けし直し、机の上や棚の中など元の場所に戻す。
「いやー、相変わらずAは仕事ができるよね」
「ミリオ先輩、見てないで手伝ってくださいよ」
「うん、手伝ったら手伝ったで手際が悪いって怒るよね」
「是非、手際よく手伝ってください。」
私が部屋を片付けている間に緑谷はサーから判子を受け取ってインターンの資料へと押していた。
その後緑谷が帰宅すると早速、見回り監視についての作戦とルートの会議が始まったのだ。
*
「……兄貴はほぼ確実に本拠地から動くことはないでしょう。」
「どうしてそう言いきれる」
「本拠地には地下の通路と部屋が張り巡らされています。万一襲撃を受けたとしても入り組んだ地下の廊下で敵の足止めをできる上、各地地上へ繋がっているので逃げるのにも有効です。
私は各地の基地や拠点に行ったことがありますが、ダントツで本拠地が安全なんですよ。
……悪いことをしているならなお都合がいい。」
「まあ取り敢えず本拠地はここ１週間張り込んでるから……あとはどこを見張るべきか…………Aちゃん、何か情報ある？」
「そうですね…………地下室の構造は私や兄の個性で度々変えていたので、現状どうなっているのか詳しいことは分かりませんが地下室からの出口の場所は大方目星がつきます。
挙げますか？」
「ああ、地図に書き出せ。それを元にして明日のパトロール兼監視ルートを決める」
「イエッサー！！」
こうして完成した監視ルートの地図を元に、翌日私達は街に繰り出し、死穢八斎會の本格マークを開始したのである。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 985人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ニナ(プロフ) - サーが死ぬところガチ泣きしました。ありがとうございます (2021年3月15日 20時) (
レス) id: fec159ffdc (このIDを非表示/違反報告)
Ama(プロフ) - ほんとに泣きました、アニメ見て泣いたのですが、本当に良かったです、！！小説？書くのとてもお上手ですね！！ほんとにここまで泣いたの初めてです、 (2021年1月8日 3時) (レス) id: 06070d74b0 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ぴのさん» いえいえ！！細かいところまで読んでくれてるんだなーって嬉しかったです！！これからもよろしくおねがいしますね！！ (2019年1月28日 1時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
ぴの(プロフ) - 近藤。さん» ごめんなさい！原作しっかり読んでませんでした……完全に早とちりです……本当にすみません!! (2019年1月28日 1時) (レス) id: 3707f5c19b (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - ぴのさん» すみません、バブルガールやサーの事務所のメンバーがミリオンと呼んでいるのはわざとです。15巻辺りを読み返していただければ原作でもそう呼んでいる描写がありますので見てみてください！ご指摘ありがとうございました！ (2019年1月28日 0時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：近藤。
| 作成日時：2018年11月30日 12時
