Episode.7 ページ9
国木田さんはまともそうだからきっと大丈夫……そんなことを思っていた自分を殴り飛ばしたい。
理想について熱く語る国木田さん。首吊りの算段を立て始める太宰に、ひたすら茶漬けをかきこみ続ける敦くん。……カオス。
……食べたらお礼だけ言ってさっさとココを離れよう。
そう決めて3人の会話を聞いていた。
会話は情報収取の為の宝庫だ。図書館である程度の情報を集めてきたといっても、無論、今の現実を丸々受け入れられたわけじゃない。
そしてどうやら、聞きなれない言葉が私の耳に飛び込んできた。
異能力集団“武装探偵社”
「なんです?それ。」
思わず会話に口を挟むと、今まで黙っていた私が話したことを少し怪訝に思ったらしいが説明してくれる。
軍や警察に頼れないような危険な依頼を専門にする探偵集団で、社員の多くが異能を持つ能力者、らしい。
「それって、国木田さんはともかく太宰治も異能力者ってことですよね。人は見かけによらないですね。」
「酷いなァ、それはそうと……そろそろ名前ぐらい教えてくれないかい?」
「ああ、そうですね。奢ってもらっといて名乗らないのは礼儀に欠けますね。
治崎Aと言います、国木田さん。」
「君の名前を尋ねたのは私だよ、Aちゃん。」
「名前呼びやめて貰えますかね馴れ馴れしい。」
「君と私の仲だろう?」
「ええ。私と貴方、大して近しい仲じゃないからやめろって言ってんです。
それで……お二人今日のお仕事は?」
「虎探し、だ。」
国木田さんがそう言った瞬間、敦くんの表情が固まった。
「む、無理だ!奴……奴に人が敵うわけない!」
そう言って逃げようとする敦くんを国木田さんが地面に押さえつける。
そして恐喝。虎のことを話さないなら敦くんの腕を折るとかそんなことを言い出した。
……おっかないな。ヴィランに情報を聴き出す時の私は傍から見たらこんなふうに見えるのか、と少し反省したところで、
「……情報を聞き出すなら脅しは効果的ですが…………貴方のそれは悪い奴らのソレですよ。敦くんを離しましょう?」
なんて言いながら国木田さんに話しかけると「……ふん」と不服そうな顔をしながらも国木田さんは敦くんを離した。
「敦くんも知ってることあるなら話したら?この人たち武装探偵社の人なんでしょ?大丈夫だよ。」
そう言うと敦くんは地面から起き上がって再び席に着いたのである。
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くまのん - 素晴らしいです!今迄私が見てきたヒロアカと文ストのクロオバはヒロアカ厳しめ多くて辟易してたので、どちらも厳しめではなく話と構成もしっかりしている。最高です。 (3月16日 21時) (レス) id: d0f6523921 (このIDを非表示/違反報告)
kyokapi23(プロフ) - 近藤。さん» こんな絵で宜しければどうぞ使ってやって下さい(笑)ヒロアカのコスは奇抜なので書きにくいですが文ストのはどちらかと言えば描きやすかったので……あと、私も治崎ちゃんが尊いです(笑)治崎ワールド楽しくて愛してます! (2019年6月13日 23時) (レス) id: 8ea1936098 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - kyokapi23さん» 拝見させていただきましたありがとうございます!!世界観がいいですね!文ストの世界観!に合った服装のウチの子が尊いです(親バカ) 皆さんに紹介させて頂いてもよろしいですか? (2019年6月13日 22時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
kyokapi23(プロフ) - 下手ですけど、イメ画描いてみました!もしよろしければ見てみてください! http://uranai.nosv.org/img/user/data/f/1/d/f1d7c31c06cc57bd5422263b48a34b83.jpg イメ画の送り方がイマイチなのでダメでしたら言ってください(笑) (2019年6月12日 22時) (レス) id: 8ea1936098 (このIDを非表示/違反報告)
近藤。(プロフ) - 幸希さん» 中也はいじりがいがあって楽しいですねー笑 この絡みをやる為に夢主の身長を163cmにした甲斐がありました笑 中也とは末永く絡ませたいので楽しみにしておいて下さい!! (2019年5月20日 18時) (レス) id: f8f1e234ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:近藤。 | 作成日時:2019年4月20日 14時