▼ なな ページ8
「……ころす」
「ええ………それはちょっと困るなぁ」
ある日の夕方頃。
今日はMANKAIカンパニー以外からの仕事の依頼が入っていたため外出しており、その帰りにばったりと真澄くんと会った。
全然俺は気付いてなかったけど、どうやら向こうはすぐ気付いたらしく、俺の元へと凄いスピードでやってきた。
彼は監督のことが好きで好きで堪らない、というのは見てればわかる事だし、MANKAIカンパニーではもう常識みたいなところがある。
だからこそ、監督の元彼である俺は彼にとって宿敵以外の何者でもないのだろう。
初めて会った時から暴言と睨みがすごい。
俺そんなにメンタル強くないからちょっと心が折れそうなのは秘密だ。
別に俺はもう監督とヨリを戻そうなんて思ってないんだけどなぁ。
向こうはどうやら俺に気があるようだけど、それに応えるつもりは無いし。
今は恋人よりも仕事とか好きなことを優先したい。
そんな俺の事情はつゆ知らず、今日も暴言と睨みがすごい。
なに、殺害予告とか何事?
「あのねぇ真澄くん
なんか君は勘違いしてるようだけど、俺は監督と付き合おうなんて思ってないよ
君が心配するようなことは無いから、俺に殺意を向けてくるのはやめて欲しいな…」
「嘘つくな。監督に気がなかったらうちに働きに来たりなんてしない
監督とやり直そうと思ってここに来たんだろ」
思ってもみない返答に俺は目を丸くする。
俺にはそんなつもりはさらさら無かったのだが、どうやら彼はそう解釈していたらしい。
なるほど、確かに元恋人の元で働くだなんて周りから見たらちょっと異様かもしれない。
ひょっとしたら彼以外の皆もそう思っているのかな、なんて。
「うーん…じゃあ、どうしたら俺が監督に気がないって信じてもらえるの?」
「監督に近付くな。それだけ」
「(えぇえ今もあんまり2人では関わんないようにしてるんたけど)」
俺の心の声は虚しくも彼に伝わることなく、それだけ言い捨てると真澄くんは俺の横をすり抜けて寮へと帰っていく。
このまま彼の後を追って帰るのも気まずいなぁ、と思った俺は、寮へと向けていた足を方向転換。
ちょっとカフェに寄って心を落ち着かせよう、と思ってしまう辺り、俺はちょっとだけ弱ってるのかもしれない。
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める(プロフ) - ま、ます、真澄くんのとこで昇天しました…最高…( (2020年9月26日 2時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
千里(プロフ) - えええ久しぶりの更新めちゃくちゃ嬉しいです待ってました、、、これからもずっと待ってるので、更新楽しみにしています(;_;) (2020年6月21日 15時) (レス) id: 290ff80d8c (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - 幸くんが最高に可愛いです…夢主くんもめちゃめちゃかっこよくて好きです!!更新応援してますね! (2019年12月31日 2時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 続きすごく気になります!更新無理しない程度にガンバってください!!!!!!応援してます (2019年12月14日 19時) (レス) id: e54dafa9c8 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - すごくいい!すごく面白いです!!BLはちょっと無理なんですが、そういう感じじゃなくて、なんか、、こう見ていて普通に逆ハー!って感じで好きです!!これからも頑張ってください!応援してますー! (2019年10月30日 21時) (レス) id: 0a78293a93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいす | 作成日時:2019年10月10日 15時