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▼ よんじゅうさん ページ44

「いい所でしょう、このお店」









そう言って微笑むAに俺は目を細める。









彼越しに見える窓の外の夜景も、シックな雰囲気のこの店も、同じ店内にいる客も、流れるBGMも。






全ては彼を、Aを引き立てるためのものであるかのように思えるほど、彼の様子は絵になっていた。









Aから飲みに行かないかと以前から声をかけられていたが。



お互いの予定が合わず、こうして実現するまでにかなり時間がかかってしまった。









彼に少し見とれてしまっていたことに気づいて、小さくため息を吐いてメガネを押し上げる。






視界の隅で自分の金髪が揺れた。









ここのマスターは気さくで…と何処かふわついた雰囲気で語る彼は少し酔っているのか。




よく見れば、Aの真っ白な肌は少しだけ赤く染まっていた。









「にしても、やっと予定あいましたね〜左京さんと来れて良かったですよ

やっぱり左京さんはご多忙だなぁ、捕まえるのに時間かかっちゃった」


「…お前が忙しかったんだろ」


「俺はそうでも無いですよ、家事してるだけだし
作曲のヤマも超えたんでちょっと楽になったって感じです」









そう言って再びカクテルが入ったグラスを傾ける。




それを握る手は初めて会った時より少しだけ荒れていて何とも言えない気持ちになった。









「…あの、左京さん?」


「あ?なんだ」


「いや…急に手掴まれたから、何事かと思って」









彼に言われて、自分が何をしていたのか、はたと状況を飲み込む。




気付けば俺はAの手をつかんでいたらしい。


考えと動きが繋がっていないところ、俺も少しだけ酔っているらしい。




不思議そうにこちらの瞳を見つめるAの手を離し、あいた手で頭をかく。









「手、荒れてんじゃねえか」


「ああ…まぁ、水仕事してりゃあある程度は荒れますよ、だって洗剤とかかなり触りますし

演者の皆の手が荒れるよりかはずっといいかなって」









梓くんにも指摘されちゃったんですよね、なんて呑気に頬をかくA。




手のことに気付いてから、不思議と彼の手が痛々しいほどに荒れていることが気になって仕方なくなってしまった。

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める(プロフ) - ま、ます、真澄くんのとこで昇天しました…最高…( (2020年9月26日 2時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
千里(プロフ) - えええ久しぶりの更新めちゃくちゃ嬉しいです待ってました、、、これからもずっと待ってるので、更新楽しみにしています(;_;) (2020年6月21日 15時) (レス) id: 290ff80d8c (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - 幸くんが最高に可愛いです…夢主くんもめちゃめちゃかっこよくて好きです!!更新応援してますね! (2019年12月31日 2時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 続きすごく気になります!更新無理しない程度にガンバってください!!!!!!応援してます (2019年12月14日 19時) (レス) id: e54dafa9c8 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - すごくいい!すごく面白いです!!BLはちょっと無理なんですが、そういう感じじゃなくて、なんか、、こう見ていて普通に逆ハー!って感じで好きです!!これからも頑張ってください!応援してますー! (2019年10月30日 21時) (レス) id: 0a78293a93 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あいす | 作成日時:2019年10月10日 15時

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