▼ じゅうろく ページ17
案内されたのはAさんの部屋。
ふわりとAさんの香水のいい香りがしてなんだか落ち着く。
「あはは、俺実はここの寮に来てから誰かを部屋に入れるの太一くんが初めてなんだよね」
ちょっと緊張する、と言ってはにかむAさんにどきりと胸が鳴る。
い、いやいや全然緊張してるようには見えないんスけど…!?
というか寧ろ俺っちが緊張してきた!!!よく考えたら二人きりじゃないっすか〜〜〜っ(アホ)
「…あは、もしかして太一くんも緊張してる?お揃いだね」
「お、おそろ、」
「ふふ、そろそろ始めようか?」
優しく俺っちの背中に手を当てて机まで誘導してくれる辺り、きっとこの人は女性を扱うのにきっと慣れているのだろう。
完全にドラマとかで見るエスコートの仕方だった。
「___うんうん、その調子だよ。太一、やれば出来るじゃん」
「ほ、本当っすか!?」
「うん。ここさっき出来てなかったけど、できるようになってる。
やれば出来るじゃん、いいこいいこ。」
「あ、あぅ…っ」
勉強を初めてからどれくらい経っただろうか。
最初こそ至近距離にいるAさんに全然集中出来なくて頭が(色んな意味で)パンクするかと思ったが、彼は勉強を教えるのがとても上手らしく案外すんなりと頭に入ってきた。
なんなら学校よりずっと分かりやすい。
こんな優しくて生徒思いでフレンドリーなかっこいい先生が俺っちの学校にいたら____ん?
「…太一?どうかした?」
「あ、いや…名前………」
「ああ、呼び捨て?……だめだった?」
「ぜ、全然そんなことないっす!むしろ嬉しいんで!!!!!!」
きゅるん、と青い目を潤ませてこちらを上目遣いで見るAさんの背後に垂れ下がった犬のしっぽが見えた気がした。(幻覚)
いつの間にか用意されていた暖かい飲み物を飲んでいると、横から視線を感じる。
当然だが、俺を見つめていたのはAさんだった。
現在この部屋にいるのは俺っちとAさんだけなので、むしろ彼以外に見つめられていたとなれば完全にホラーである。
どこか期待するような目でこちらを見る彼に首を傾げれば、恐る恐る口を開いた。
「出来れば俺のことも別の呼び方で呼んで欲しいな…なんて」
「え、いいんすか!?じゃあA先生で!」
「あ、そこは即答なんだね」
「はいっす!」
これからも俺っちだけの先生であってほしいから、なんて。
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める(プロフ) - ま、ます、真澄くんのとこで昇天しました…最高…( (2020年9月26日 2時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
千里(プロフ) - えええ久しぶりの更新めちゃくちゃ嬉しいです待ってました、、、これからもずっと待ってるので、更新楽しみにしています(;_;) (2020年6月21日 15時) (レス) id: 290ff80d8c (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - 幸くんが最高に可愛いです…夢主くんもめちゃめちゃかっこよくて好きです!!更新応援してますね! (2019年12月31日 2時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 続きすごく気になります!更新無理しない程度にガンバってください!!!!!!応援してます (2019年12月14日 19時) (レス) id: e54dafa9c8 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - すごくいい!すごく面白いです!!BLはちょっと無理なんですが、そういう感じじゃなくて、なんか、、こう見ていて普通に逆ハー!って感じで好きです!!これからも頑張ってください!応援してますー! (2019年10月30日 21時) (レス) id: 0a78293a93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいす | 作成日時:2019年10月10日 15時