▼ じゅういち ページ12
「あ、お寝坊さん発見」
「………ぁ、?」
ある朝。
眩しい朝日に目を細めると、視界にある男が入ってきた。
艶やかな黒髪に白い肌、青い瞳といったら彼しかいない。
「……なんだ、Aかよ」
「なんだってなに…俺じゃだめなの?」
せっかく起こしに来てあげたのに、と眉間に皺を寄せてむくれるAを見て可愛いな、と柄にもないことを思う。
寝起きだからか、普段とはぶっ飛んだことが脳内を埋めつくした。
赤い唇や首筋、鎖骨がとんでもなく艶かしい。
もしこれが夜だったら、今すぐにでも押し倒して脱がせて、それから____
「ばか、どこ見てるの」
「って!おいおい、朝からそれは無いだろ」
「別に〜。万里がなんかヤラシイ目で俺の事見てるのが悪いんじゃない?
寝ぼけてるでしょ、俺男なんだけど」
大丈夫?と心底心配そうに俺の顔を覗き込む目の前の男にへいへい、と適当に返事をする。
こいつがMANKAIカンパニーに来てから既に1ヶ月が経過している。
そのたった1ヶ月で、俺はなんとこの男に惚れてしまったのである。
そりゃ自覚した時は理解できなかった。
何せ相手は男、しかも監督ちゃんの元彼。
結構葛藤があったが今ではそれさえも吹っ切れて普通に此奴への恋心を受け入れている。
他のやつも自覚してないだけで、好きなやつがほとんどだと思う。
Aを良くないと思ってるのなんて、真澄くらいじゃないか。
早く起きなよ〜、と言って俺をベッドから無理やり立たせてシーツを剥ぎ取るAを見ながらぼんやりと考える。
仕事に勤しむ彼をよそに、俺はそいつの背中に抱きついてやった。
「うわ、びっくりした。どうしたの」
「いや?別に。ただやっと俺の事呼び捨てするようになったなと思ってよ」
「あれだけ言われれば俺もさすがに変えるよ…ていうか重い、それに早く着替えて顔洗ってよ、俺の朝食冷めさせる気?」
やんわりと俺を押し返した彼は、最後にそう言うと俺の部屋からさっさといなくなってしまった。
静かになった部屋に、Aの香水がほのかに残っていてなんだか恋しくなる。
こんなに恋焦がれて、乙女じゃねえんだから。
前まで臣のことしか呼び捨てにしてなかったが最近では俺が言いよったこともあって俺もよび方がワンランクupした。
A攻略への道をゆっくりと進んでいる。
誰かが己の恋心に気付いてしまう前に、Aを俺のもんにしてしまいたい、その一心だった。
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める(プロフ) - ま、ます、真澄くんのとこで昇天しました…最高…( (2020年9月26日 2時) (レス) id: 0fd2e5e0a5 (このIDを非表示/違反報告)
千里(プロフ) - えええ久しぶりの更新めちゃくちゃ嬉しいです待ってました、、、これからもずっと待ってるので、更新楽しみにしています(;_;) (2020年6月21日 15時) (レス) id: 290ff80d8c (このIDを非表示/違反報告)
犬田(プロフ) - 幸くんが最高に可愛いです…夢主くんもめちゃめちゃかっこよくて好きです!!更新応援してますね! (2019年12月31日 2時) (レス) id: 4889f7f66e (このIDを非表示/違反報告)
吹雪(プロフ) - 続きすごく気になります!更新無理しない程度にガンバってください!!!!!!応援してます (2019年12月14日 19時) (レス) id: e54dafa9c8 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - すごくいい!すごく面白いです!!BLはちょっと無理なんですが、そういう感じじゃなくて、なんか、、こう見ていて普通に逆ハー!って感じで好きです!!これからも頑張ってください!応援してますー! (2019年10月30日 21時) (レス) id: 0a78293a93 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいす | 作成日時:2019年10月10日 15時