３０君のその色を表す言葉が知りたい ページ3
『うわぁ、涼しい』
セイヤくんに連れてこられたのは、この洞窟のてっぺんで。
屋上、というのだろうか。
町には瓦の屋根しかないからわからないけど
そこはとても見晴らしが良かった。
秋真っ只中の風は冷たすぎず、私たちの頬を心地よく撫でる。
山のほうに、二匹のモンスターが移動しているのが見えた。
きっとさっき呼び出されたタイセーくんとコジケンだろうな
「よう見えるやろ、窓よりも」
そう笑いかけるセイヤくんは、
少し前に私がマサカドくんと町を見下ろしていたのを見ていたのかもしれない
「ここは俺の特等席やから」
ここから、明るい町を見んねん、と彼は笑う。
『あの、セイヤくん』
私の呼びかけに、セイヤくんは眉を少し上げた
『セイヤくんにとって、この町は悲しい場所なの？』
私の間抜けな質問に、彼は軽く笑った。
「どうやろ」
また。さっきタイセーくんの前で見せたように、
悲しさの混じった顔で笑う。
『前、コジケンが言ってたでしょ、その
セイヤくんはボンボン…だとかなんとか、
それが関係あるのかなって思って』
こちらをじっと見つめるセイヤくんの右目が赤いままだということに気づいた。
なんだか怒らせたような気がして慌てて口をつぐんだ瞬間、
強い風が吹いてセイヤくんの髪の毛を動かした。
ずっと隠れていた左目があらわになったのを見て、思わず息を飲む。
赤い色とは全く違う、銀色の瞳だった。
「見えた？」
と笑う彼に静かに頷く。
「俺実はオッドアイやねん、かっこいいやろ？」
開き直ったように前髪をかきあげるセイヤくんを見つめる。
「ちなみにやけど、リチャもそうやで」
『え、そうなの？！』
衝撃の事実に驚くけど、記憶の中のリチャードくんはどちらも……
「よーく見たら色が違うねん。
黄色と、汚れた金」
『汚れてるの？』
そやで、とセイヤくんは笑う。
右の赤い瞳は笑っているけれど、銀の方は笑っていないように見えた。
「300年も生きとったらさ、いろんなことがあんねん」
今度は悲しそうに目を伏せて言う彼に、遠慮がちに聞く。
なんだか近くなったと思っていた距離が一瞬で遠くなった気がした。
『貴方も、300年前に約束をした人がいるの？』
私の言葉に彼は一瞬目を見開いて「おるよ」と笑った。
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MaKoto（埃）(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます。なかったことには絶対したくないし、やっぱり６人を追っていきたい気持ちが自分にもあるので、夢の中だけでも６人を描いていきたいです。もっともっとおもしろいものを書くのでそのときはまた読んでください！ (2月27日 12時) (
レス) id: 7941e71030 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - お疲れ様でした。完結ありがとうございます、彼がずっと大好きで、これからも大好きです。まだ受け入れられないし、私の中では6人でAぇ!groupとしか考えられなくて…。なのでこれからも6人の物語が読みたいです。MaKotoさんの書くお話が大好きです。楽しみにしています (2月27日 11時) (レス) @page40 id: 8e0d3b7125 (このIDを非表示/違反報告)
み - 初めて読みましたが泣ける。生まれ変わってまた6人が会える日が来ると願います。更新楽しみにしてます (12月21日 15時) (レス) id: 6eca363505 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとうございます🙌🏻小島くんも佐野くんも悲しいです😢これからも更新頑張ってください💪🏻🔥 (8月9日 12時) (レス) @page33 id: 33203d08f7 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとございます😭😭😭小島くん悲しいです😭これからも更新楽しみにしてます！更新ファイトですっ！！！！！！ (5月15日 9時) (レス) @page31 id: dc37ea6a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MaKoto | 作成日時：2022年3月26日 11時
