４７帰ってきた君に何を言えばいい ページ20
帰った先にいたのはよしのりくんただひとりだった。
「あれ、コジケン連れて帰ったんちゃうの」
「奥におる、ずっと何も言わんと……ただ」
今はもう止まっとるけど、とよしのりくんは前置きして
「めちゃくちゃ泣いててん、あいつ」と言った。
コジケンが？
タイセーくんの声が少し動揺しているのがわかる。
よしのりくんに連れられて私たちは足早に奥へ向かった。
コジケンは私がここへ来たばかりのころ
よしのりくんと初めて会った場所で、
あのときのよしのりくんのように街を見下ろしていた。
彼の背中の翼はまだ広がったままで
私たちは息を呑んでしまう。
目の前のコジケンは、ボロボロで傷ついた翼を背負っていた。
『コジケン……それ、どうしたの』
私の声を聞いた瞬間、コジケンは勢いよく振り向いた。
紫のままの瞳がこちらを捉えて、ゆっくりと近づいてくる。
『コジケン……？』
返事をしてくれない彼は私の正面に来て止まった。
よしのりくんが言った通り、彼の頬にはうっすらと涙の後が見える。
後ろで顔を見せているボロボロの翼が痛そうで、思わず伸ばした手を
コジケンはぎゅっと掴んだ。
「おいコジケン、急に何してんねん」
強く手首を握るコジケンにはタイセーくんの声なんて聞こえていないようで、
まっすぐ私だけを見てそらさない。
だんだん、紫が揺れ始める。
「愛いなぁ……」
『う……？なに？』
何を言っているのか理解できない私をコジケンは軽く笑った。
初めて聞く優しい笑い声だった。
「また、町に出よう。今度は俺の服選んでくれへんか」
『え、でも私そんなに詳しくないんだけど』
「ええねんええねん、そこにおってくれるだけで
俺は倖せやでな」
世界で一番、しあわせや、とゆっくり呟いて微笑む彼は
掴んでいた私の手に指を這わせゆっくりと絡めた。
「なっにしてんねん！」
こちらへ飛んできたタイセーくんの声にコジケンはやっと彼を向いて笑う。
「ええやろ」
「よくない！」
引き離された手と、タイセーくんとじゃれ合うコジケンを交互に見つめる。
今朝まで私のことを避けていたコジケンはここにいなくて
この一日で、彼は何を見て何を知ったのだろう、と
思った矢先、セイヤくんたちの翼の音が聞こえた。
４８その瞳が教えてくれるのは愛か哀か→←４６？教えてくれた漢字は世界でひとつだけ
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MaKoto（埃）(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます。なかったことには絶対したくないし、やっぱり６人を追っていきたい気持ちが自分にもあるので、夢の中だけでも６人を描いていきたいです。もっともっとおもしろいものを書くのでそのときはまた読んでください！ (2月27日 12時) (
レス) id: 7941e71030 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - お疲れ様でした。完結ありがとうございます、彼がずっと大好きで、これからも大好きです。まだ受け入れられないし、私の中では6人でAぇ!groupとしか考えられなくて…。なのでこれからも6人の物語が読みたいです。MaKotoさんの書くお話が大好きです。楽しみにしています (2月27日 11時) (レス) @page40 id: 8e0d3b7125 (このIDを非表示/違反報告)
み - 初めて読みましたが泣ける。生まれ変わってまた6人が会える日が来ると願います。更新楽しみにしてます (12月21日 15時) (レス) id: 6eca363505 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとうございます🙌🏻小島くんも佐野くんも悲しいです😢これからも更新頑張ってください💪🏻🔥 (8月9日 12時) (レス) @page33 id: 33203d08f7 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとございます😭😭😭小島くん悲しいです😭これからも更新楽しみにしてます！更新ファイトですっ！！！！！！ (5月15日 9時) (レス) @page31 id: dc37ea6a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MaKoto | 作成日時：2022年3月26日 11時
