４３守られてばかりは嫌だから ページ16
10月の夜は肌寒くて、
強く吹いた風が山の木々を揺らした。
木が揺れて、ざわざわと音を出すたびに
私の胸もざわめく。
「なんかあったんちゃいますか……？
今日の夜廻りコジマくんもやから
絶対帰ってくるはずやのに……」
眉を下げて言うマサヤと、腕を組んで黙っているセイヤくん。
「探しにいくにしてもAを一人残していくのは
心配やからなぁ。
ちょっと手間やけど交代交代で行くか？」
な？とセイヤくんに言うリチャくんに
セイヤくんはどこか上の空で「そうやなぁ」と言った。
今朝のコジケンを思い出す。
何か言いたそうだったのに、聞けなかった。
そのことが、喉に引っ掛かった魚の骨みたいに
私の中でループしていた。
『あの、私も探しに行っちゃダメかな』
「は！？」
ずっと黙っていたヨシノリくんが大きな声を出すから
少しだけびっくりしてしまう。
「いや、マサカドが大きい声出すのもわかるで。
前も言ったやろ、見つかったら殺されるんやで。
絶対に迎え入れられるわけないんやから」
『そう、かもしれないけど。
ヨシノリくんがいなくなってからの12年で
町はもっとアホになった。
12年前は月を見つめることがあったけれど、
今じゃ絶対に外を見ることすらしない。
まして、夜に外出するなんて。
……私を除いて、だけど』
きっとみんなも見ているはずだ。
気持ち悪いくらいに眠っている町のこと。
「どーすんの、スエザワ」
「……俺とリチャが常に上におんねやったらええで」
その代わり、とセイヤくんがこちらを見る。
一足先に赤く染まった瞳が、
暗闇の中でひとつ光っている。
「もし人間がAに危害を加えそうになったら
俺らはそいつらを殺してでも、お前を連れ帰るで」
セイヤくんの声に感化されたように、みんなの瞳に色がついた。
夜の闇で、五色の瞳が私を見ている。
『ありがとう。……私もいざというときは戦うから』
「Aは戦わんでええねん！俺が守る！」
剣を振り下ろす真似をするタイセーくんに、
私も真似をして返す。
「お前とAは別行動やけどな」と笑うセイヤくんが
翼を広げて、風が吹く。
バサバサと広がっていく翼たちを見ながら、
どうかコジケンが無事でありますように、と
心から願った。
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MaKoto（埃）(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます。なかったことには絶対したくないし、やっぱり６人を追っていきたい気持ちが自分にもあるので、夢の中だけでも６人を描いていきたいです。もっともっとおもしろいものを書くのでそのときはまた読んでください！ (2月27日 12時) (
レス) id: 7941e71030 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - お疲れ様でした。完結ありがとうございます、彼がずっと大好きで、これからも大好きです。まだ受け入れられないし、私の中では6人でAぇ!groupとしか考えられなくて…。なのでこれからも6人の物語が読みたいです。MaKotoさんの書くお話が大好きです。楽しみにしています (2月27日 11時) (レス) @page40 id: 8e0d3b7125 (このIDを非表示/違反報告)
み - 初めて読みましたが泣ける。生まれ変わってまた6人が会える日が来ると願います。更新楽しみにしてます (12月21日 15時) (レス) id: 6eca363505 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとうございます🙌🏻小島くんも佐野くんも悲しいです😢これからも更新頑張ってください💪🏻🔥 (8月9日 12時) (レス) @page33 id: 33203d08f7 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとございます😭😭😭小島くん悲しいです😭これからも更新楽しみにしてます！更新ファイトですっ！！！！！！ (5月15日 9時) (レス) @page31 id: dc37ea6a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MaKoto | 作成日時：2022年3月26日 11時
