３９秘密のゆびきりげんまん ページ12
割れてしまったお皿を拾いながら
マサカドはリチャくんたちと一緒やで、と
タイセーくんは言った。
よしのりくんが生き別れた幼馴染だったことを伝えると、
彼は大きく口を開けて納得した後、
また笑った。
『それに気付いてからなんだか”マサカドくん”って
言いにくくなっちゃって。
みんなはマサカドって呼ぶのに、変だよね』
なんだか今日は困ったように笑うタイセーくんに、
私もそんなふうに笑いかける。
「いや？事情聞いたら納得したし
ええと思うで」
お皿の破片を袋に詰めてきゅっとしばる。
「皿割ったこと……リチャくんに内緒にできるかなぁ？」
悪戯っぽく笑うタイセーくんを見ていると
この人は本当に300年も生きた人なのかなと
思ってしまう。
『私も黙っておくから、二人だけの秘密にしよ』
小指を立ててタイセーくんに向けると、
彼はゆっくり首を傾げた。
指切りゲンマン、という恒例の儀式を知らないタイセーくんは
やっぱり300年前の人なんだと秒で思い知る。
見様見真似で小指を立てる彼が
なんだか愛おしく見えて
無理やり小指を絡ませた。
『ゆーびきり、げんまん、嘘ついたら
針千本のーますっ、ゆびきった！』
「…ゆびきった、って今も言うんか」
『え、江戸時代も言ってたの？』
「こんな可愛い振りはなかったけどな。
なんかほんまに小指切って渡しとったで」
突然のえぐい話に、喉元がひゅっと閉まる。
そんな私に気付いたのか、タイセーくんは大きく笑った。
「なんかすごい音聞こえてんけど……」
ひょっこりと台所に顔を出すコジケンと目が合う。
私から目を逸らした彼は
私たちの間にある袋を一度見、
台所に並べられた６つのお皿を一度見、
あぁ、と三度頷いた。
『待ってコジケ』
「リチャくーん！ Aとタイセーが皿割ったァ！」
「言うなよ！」
遠くから聞こえてくるリチャードくんの声を後ろに、
コジケンはべ、と舌を出してリビングへ行ってしまった。
秘密が秘密でなくなって少しだけ落ち込んでしまう。
「……秘密はバレてもうたけど、俺らが指切りしたことは
誰も知らんから、それだけは俺たちだけの秘密にしよ」
人差し指を唇に当てて笑うタイセーくんに大きく頷く。
リチャードくんが近づく足音をBGMに、
私たちは悪戯っ子のように笑い合った。
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MaKoto（埃）(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます。なかったことには絶対したくないし、やっぱり６人を追っていきたい気持ちが自分にもあるので、夢の中だけでも６人を描いていきたいです。もっともっとおもしろいものを書くのでそのときはまた読んでください！ (2月27日 12時) (
レス) id: 7941e71030 (このIDを非表示/違反報告)
のん(プロフ) - お疲れ様でした。完結ありがとうございます、彼がずっと大好きで、これからも大好きです。まだ受け入れられないし、私の中では6人でAぇ!groupとしか考えられなくて…。なのでこれからも6人の物語が読みたいです。MaKotoさんの書くお話が大好きです。楽しみにしています (2月27日 11時) (レス) @page40 id: 8e0d3b7125 (このIDを非表示/違反報告)
み - 初めて読みましたが泣ける。生まれ変わってまた6人が会える日が来ると願います。更新楽しみにしてます (12月21日 15時) (レス) id: 6eca363505 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとうございます🙌🏻小島くんも佐野くんも悲しいです😢これからも更新頑張ってください💪🏻🔥 (8月9日 12時) (レス) @page33 id: 33203d08f7 (このIDを非表示/違反報告)
もんびちぇ - 更新ありがとございます😭😭😭小島くん悲しいです😭これからも更新楽しみにしてます！更新ファイトですっ！！！！！！ (5月15日 9時) (レス) @page31 id: dc37ea6a32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：MaKoto | 作成日時：2022年3月26日 11時
