才能 ｰ special ｰ

終. ページ20

殿方に食べさせてもらったことなど記憶にないものだから、ちょっと恥ずかしい。
子供に戻ったみたい。



『熱ない？』


｢熱いけど大丈夫｣


『ふーふーするわ』



冷まそうと一生懸命はるさめに向かってふーふーするヒカル。
別にそれぐらい自分でも出来るんだけど、してくれようとする気持ちが嬉しいよね。



『今日ずっと痛かったん？』


｢まぁ、起きてからは｣


『これから言いや』



そうだなあ。
良かれと思って無理したけどあれでもし歩けなくなったりしたらスタッフ陣に影響出てただろうし。
染み付いた日本人の思考って冷静に考えたら余計迷惑だよな。



風邪でも台風来てても休めないとか異常。



『俺のとこブラックかもやけど、ホワイトでもあるし』


｢言えば休ませてくれるもんね｣


『てかなんなら働かんでも俺おるしええけどな』


｢それはやだな、楽しみ無くなるし｣



無理しない程度に働きたい。
美容師時代はやっぱり稼ぐためというのが大きかったけど、ここでは楽しさがてっぺんにある。
だからハードスケジュールでも耐えられる。



『嬉しいこと言うやん』



1口1口、無くなるまでスープを口に運んでくれた。
まぁこんな感じで看病してくれるならサバイバル週間も悪くないかも。
迷惑はかけられないから、毎回あの痛さはやめてほしいけど。



『はい、ごちそうさまでしたー』


｢ごちそうさまでした｣


『美味かった？』


｢うん！｣


『よかったな、ゆっくりしときや。俺撮影終わったらすぐ戻ってくるから』


｢ありがとう。気にしなくていいからね｣



スープの効果かヒカルの優しさか、痛みはほとんど消えていた。
彼氏って、いいもんだな。



ヒカルが部屋を出た直後眠気が襲ってきた。
今寝たら変な時間に起きちゃいそうだけど、抗うことは出来ずそのまま身を委ねる。
起きたら、彼が横にいるといいなと思いながら。



『…これカップルチャンネル行きやな』





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kotatsu様 【女の子の日で体調の悪い主を看病】


重い時って本当にしんどいですよね…
でもヒカルさんが隣にいるなら耐えられそうです笑
リクエストありがとうございました。

たまにはまったり.→←＿＿

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