絶望 ページ39
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今朝は恐ろしい思いで目覚めたけど、
いつも通りの慧がいた。
昨日の事を聞く余地が無いくらい。
夕方、久しぶりに外食をしようと誘われ外へ出る。
一日中晴れていたのに、帰りは雨が降っていて走って帰った。
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一段落してくつろいでいた頃、電話が鳴った。
♪♪♪♪♪♪
『八乙女光』 光先輩の文字。
どうしようと迷っていると、
慧が反応して携帯を取り上げ、電話を切った。
「はい」
携帯を返す。
「…うん」
そうだ。これは仕方ない事なんだ。
慧とした約束。先輩を守るためだから。
でもごめんなさい、先輩。
今、どうしてるかな。
また薮さんに傷つけられたのかな。
一人で寂しい思いしてるかな。
なら、結局俺は先輩を守れてないですね。
・
次の日、苦しい思いで会社へ行く。
先輩にどんな態度取ったらいい？
胸が哀情にざわめいて、煩い。
悩んでいると、声を掛けられた。光先輩。
「ゆうと…おはよ…」
悲しそうな声。
昨日電話を切ったからかな。
「おはようございます」
距離を取るために事務的な態度で挨拶を返す。
先輩の顔は一切見ずに。
「ゆうと…昨日…」
言い淀む先輩。
「はい」
冷たく返事をすると、引いて
「ううん…なんでもない…ごめんね」
そう言って後ろに下がるから、俺は、はい、とだけ返事をして先に行く。
つらい。先輩にこんな態度をとるなんて。
胸が張り裂けそうだ。
でも頑張らないと。
先輩には薮さんがいるんだから、俺なんていなくたっていいんだ。
俺の事考えてるって言ってくれたけど、
それは先輩が優しいから、だから、大丈夫。
薮さんから光先輩を守る、なんて燃えてた心はどこかへ行き、
自分の都合のいい解釈だけをしていた。
先輩の気持ちなんて知らずに。
・
家に帰るとまた電話があった。
『八乙女光』の文字
また、無視しよう……と思ったけど、出ることにした。
「もしもし」
『ゆうと？』
「すみません、電話掛けてこないでください」
『えっ』
「いま彼女といるんです。なんで」
電話を切る。
ああ、言ってしまった。
もう終わりだ。
いや、終わらせるつもりで言ったんだけど。
こうでもしないと自分も先輩から離れらんないし、
先輩も離れてくれないと思った。
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ゆんぴょ(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます！早めにスピンオフupしますね♪ (2019年8月17日 22時) (
レス) id: 5a6b953178 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とってもおもしろかったです！スピンオフ待ってます！ (2019年8月17日 21時) (レス) id: 8d82e99298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆんぴょ | 作成日時：2019年6月7日 11時
