好き ページ30
・
「照れてる」
「そりゃ…」
「でもゆうともするんだよ、なでなでって俺に」
「それは…」
「だからお返し。へへっ」
「もう…」
本当は触れられてたい…
やっぱりそう思っちゃうけど、その思いは脱ぎ捨てる。
気持ちを切り替えてスッと立ち上がり顔を洗いに行く。
この後どうするか、考えないと。
「先輩、朝ご飯食べますか？」
「あ、ううん、大丈夫、そろそろ帰るね」
「はい……その、もう大丈夫ですか？」
「わかんない、今日は…どうだろう…あ！でも心配しないで！これ以上迷惑かけらんないから！」
「心配しますよ、迷惑なんかじゃないから、何か出来ることあれば言ってください」
「ない、自分でなんとかするから」
「そうですか…でも自分じゃなんとか出来ないから電話…くれたんですよね？」
核心を突きたくて意地悪な質問をする。
「それは……ごめん！ゆうとが優しいから、つい頼っちゃうの…ごめん」
「ううん、ごめんじゃないです、もっと頼ってください。力になりたいから、聞いてるんですよ。責めたいんじゃないです」
「そんなやさしくしないで…」
泣き出す先輩。
なんで泣くの、泣かせたかったんじゃないのに。
ただ先輩の笑顔が見たくて、だから助けたくて。
「そんなん…すきんなっちゃうじゃん…」
「へ…？」
すき… ？
「そんな優しくされたら好きになっちゃうって言ってんの！でも、大丈夫。まだやり直せるから…もう帰るから」
「待って、」
立ち上がる先輩の腕を引く。
「好きに…なってください」
「や」
「なんで」
「決まってんじゃん、俺、薮の恋人なんだよ」
「恋人しか好きになっちゃいけませんか？」
「…うん」
本当に？俺の事少しでも思ってくれたの？
そんなこと聞いたら収まりがつかない。
下を向いて寂しそうにする先輩の肩を掴んで、
顔を持ち上げる様にキスをする。
すると、一気に涙を溢れさせて、
「ゆうとは…俺の事すき…？」
「はい…」
「ごめん…だめだよ…」
そう言って俺の手をすり抜けて、家を出ていく。
叶わない恋だと思っていた。
叶わなくていいと。
幸せな先輩の姿が見られたらいいと。
なのに先輩が光を見せてくれるから。
諦めなられない。
もっと先輩に近づきたい。
俺の中で今までとは違う、何かが目覚めた。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 74人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆんぴょ(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます！早めにスピンオフupしますね♪ (2019年8月17日 22時) (
レス) id: 5a6b953178 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とってもおもしろかったです！スピンオフ待ってます！ (2019年8月17日 21時) (レス) id: 8d82e99298 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆんぴょ | 作成日時：2019年6月7日 11時
