間違い ページ19
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「戻りました〜」
……
「先輩…？」
寝てる？
ソファのひじ掛けに頭を乗せて目を瞑っている。
西洋の彫刻のようにはっきりした綺麗な横顔。
でもあどけなさが残るかわいい寝顔。
その美しさに吸い込まれてしまった。
触れたい＿＿＿
俺は間違いをしてしまう。
＿＿＿＿＿そっと先輩の右頬に口を落とす
「…んと」
起きてたの？！
「せ、せんぱい…？！」
目を瞑ったまま、俺の口を探して自分の口をあてる。
「…ぁあっ」
先輩の甘い吐息。
驚き戸惑いながらも、それよりもよろこびが勝ってもう一回、唇を合わせる。
それに応えるように俺の唇をついばみ始める。
先輩、誰かと間違えてますか？
それでもいい。今この瞬間、先輩の一瞬をください。
先輩が何回目かの口づけをしようとしたところで目を覚ました。
「…はっ、ゆ ゆうと？ えっ、ごめん、おれ…」
大きく動揺する先輩。
一気に現実に引き戻され、自分がしてしまった事の重大さに気付く。
言葉が出ない。
「ごめん…ちゅう、、しちゃった…よね、ごめん、ほんとごめん」
へ……
なんで先輩が謝るの？
もしかして、自分からしたと思ってる？
俺が上で先輩が見上げてるこの状況で。
「い、いえ…」
「や、ぁ、どうしよう、ごめんなさい。あぁ恥ずかしい」
頭を抱えて首を振っている。
「ほんとにごめん、寝ぼけてたから、その…間違えちゃった…」
「…薮さんと…？」
「え？……あ、うん」
ん…？
「あ、えと、気にしないでください！何もなかったですよ今、うん」
「そんな…ごめんね…」
「謝らないで…」
「だって…あぁぁ！や！もう恥ずかしすぎて何も言えない」
本当にすごく恥ずかしそうに顔を手で覆っている。
「恥ずかしくないです！だから顔上げて…？」
「……ぅん」
自分の髪の毛で顔を隠すようにしながら顔を上げる。
申し訳ないけど、その恥と憂いを帯びた表情にドキッとしてしまう。
「えっと、とりあえず…飲みます？」
買ってきたコーヒーを差し出す。
「ありがと…」
「忘れましょう！コーヒー飲んでリセットね！」
我ながら何を言っているんだ。
「うん！」
ちょっと元気が戻る先輩。
ごめんなさい、先輩。先輩のせいにして。
でもここで本当の事を言ったらすべてが終わってしまうから。
嘘を許してください。
先輩の勘違いに隠した嘘を。
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ゆんぴょ(プロフ) - いちごさん» ありがとうございます！早めにスピンオフupしますね♪ (2019年8月17日 22時) (
レス) id: 5a6b953178 (このIDを非表示/違反報告)
いちご - とってもおもしろかったです！スピンオフ待ってます！ (2019年8月17日 21時) (レス) id: 8d82e99298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆんぴょ | 作成日時：2019年6月7日 11時
